本書は1980年代における「おたく」の精神を著者自身の自叙伝的に綴った評論本である。
1980年代は「風の谷のナウシカ」「天空の城 ラピュタ」をはじめとして様々な印象に残るアニメが世に送り出された年代である。しかし本書では「ロリコン漫画」の誕生をはじめとしてエロ本文化について多く書かれていた。
「おたく」というわけであるのでアニメについてものすごく書かれている印象が強かったものの本書ではそれほど多く書かれていなかった。書かれていた中で最も印象に残ったのは「エヴァンゲリオン」である。この作品については学術的にも非常に問題作であったと言える(しかし非常にいい意味である)。
特に多く現れたのは現代における精神構造であり、そして「グノーシス」による現世・自己否定をはじめとした哲学的観点による議論が盛んにおこなわれていたということである。現在では劇場版のDVDも出ておりいまだに人気は衰えてはいないが、まだまだ謎なところが多いと言えよう。
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