世界が認めた和食の知恵

日本の食文化には古来玄米を主食にし、野菜やその漬物などを副食に添えていた時期があった。とりわけ米を主食にした日本の食文化では、現在でいうメタボリックシンドロームである人が非常に少なかったという。

こうした日本古来における雑穀や玄米を中心にした食文化を「マクロビオティック」と呼ばれており健康ブームでの中心に立っている。海外でも人気を博しており、トム・クルーズやマドンナがやっていることでも有名である。本書はそのマクロビオティックを考案し、世界に広めた桜沢如一とその弟子である久司道夫の物語である。

マクロビオティックは今や世界に認知され非常によく受け止められているが、それを広め始めた当時はそのような食文化は逆に受け入れられず現地の学者には門前払いがあったり根も葉もない批判があったりとしていた。

しかし桜沢氏の絶え間ない研究とゆるぎない主張があいまって徐々に世界的に浸透し始めたという。本書では桜沢氏の思想や師弟の思いなど非常に深く掘り下げられている。マクロビオティックについてもっと詳しく知りたい方には非常に良い1冊である。