アラビアンナイト

子供のころから童話や映画で見たアラジンなどのアラビアンナイト(千一夜物語)作品。しかしこの作品の舞台は一体どこなのか、中東のどこかであるのか、アフリカ大陸なのか、ある番組を見てイラクが舞台なのかなと思った。

さて本書を読むとアラビアンナイトのルーツがわかるが、これが非常に衝撃的である。まず前半ではアラジンの翻訳の変遷が書かれているが、非常に雑学的な内容だったので読みごたえはあったが非常に興味深い内容であった。そもそも原典はアラビア語であるが、それがどのように解釈されていったのかがわかるが、さすがに内容が濃かっただけにあまりよくわからなかった。もう少し注意深く読むべきだったか。

後編では作品の舞台となった中東情勢(歴史も含む)とアラビアンナイト、そして日本人における中東情報の変遷と幻想について書かれている。ここでは日本における中東への視線がなかなかに面白い。特に英語に対する翻訳が盛んであった明治時代には様々な翻訳がなされているが、日本におけるアラビアンナイトの関心についてはもう少し突っ込んでほしかった。とりわけ江戸時代後期や明治時代には様々な文化が入っているのでそこでのアラビアンナイトの扱われ方については非常に興味がある。