勘定奉行 荻原重秀の生涯

学校の歴史の教科書では「新井白石」という人物は少なからず聞いたことはあるだろう。多岐にわたる学者として数多くの政策を提案をしてきた重要人物である。しかしその人物はある男を追い落として活躍したのはあまり知られていない。

その追い落とされた男が名勘定奉行である荻原重秀である。

荻原重秀については文献があまり残っておらず彼自身も文献を残していないのでそれにまつわる情報はこれが初めてであることを考えると重要な文献となる。

第1章以降彼の生涯について書かれているが、これが確かなものであるとは文献がなさすぎることから何とも言えない。私がレビューとしての評価を見るのは序章が一番いいかもしれない。それを選んだ理由は障害としての評価を見るよりも荻原重秀に関しての評価が賛否両論というところが面白い、かつ興味深いと思ったからである。新井白石は当然のごとく酷評をやっているのは当然と言えよう、作家の中では評価してる人も多く荻原の財務官僚としてよりも財政政策としての異才ぶりが評価されている格好となっている。

もっとも日本の経済状況もさることながら江戸幕府でも財政問題は重要問題の一つとして挙がっていたのであろう。それに関して抜本的な改革を行おうという人物は荻原重秀のほかに誰がいたのであろうか。私はいないはずと答えるだろう。それほど大胆な政策を行ったのであるから。