森林バイオマス最前線

本書は森林バイオマスにまつわる技術の最前線を描き、そしてその重要性を訴えている。そもそも「バイオマスとは一体何なのかというと「太陽エネルギーを起源とする生物由来の資源」を指している。つまり森林の資源を利用して様々なことに役立てる。そしてそれが地球温暖化防止にもつながるというのが本書の主張であろう。

本書ではこのバイオマス利用取り組みと方法をはじめ、現在実践されている事例も数多く載せられている。第2章についてはメカニズムが大体わかったのだが第3章の事例については専門的な用語も多くわかりにくいところが多々あった。最後のところでは(資料編に入る前)では詩形式で書かれていたところも印象的であった。

私はこの事業については賛成であるし、日本の森林はもっと活用しなければならない。昨今の環境問題対策の中にはおかしいと思う節があり、例えば植林活動を行うことは悪いことではないのだが、それを利用する(伐採して役立てる)ことは、「逆に環境に悪い」と文句を言う。こういう風潮が続くとたちまち「環境ファシズム」のようになってしまう。

森林を植えることは環境を良くするのには良いことであるし、むしろ日本は本書でも書かれていたが森林が育つ、植物が育つには最高の環境を持っている。私は現在騒がれている環境問題には否定的な立場をとっているが本書のように森林バイオマスがビジネス化して成り立っていけば、日本の経済はまだまだ成長できると思う。