日本語の奇跡

日本ほど、字や語彙組み合わせの多い国はない。しかし、なぜこれほどまでに多くなってしまったのか。そしてなぜこれらは生まれたのか。それを解説をしているのが本書である。

日本語のルーツの本についてはタミル語からきているという本にはであったことはあるが、こちらは中国の儒教の文化から、飛鳥時代以降の日本の歴史も兼ねてそのルーツを探っているところが特徴であると私は本書を見てそう思った。しかしカタカナの誕生については、漢字の簡略化や外国名によるものというだけであって、ではなぜカタカナになったのかがはっきりと分からなかったところが惜しかった。

世の中正しい日本語をという風潮も多く、逆に新しい語彙も増えており日本語は日々変容している。しかし、根本的な軸がなければ日本語に限らず言語というのは崩壊する。本書はその原点について述べているのではないだろうか。