外注される戦争

「民間でできることは民間で」

小泉元首相が郵政民営化や道路公団のときに行った際の言葉である。確かに民でできることは勘に頼らずとも民でやりたいものである。しかし軍事も民間でという考えは小泉元首相の脳裏にはあったのだろうか。安倍前首相の脳裏にはあったのだろうかと本書を読んで勘繰ってしまう。

本書はイラク戦争で特に取り上げられていた民間軍事会社(PWC)の実情について迫っている。何度も言うように戦争と言うのは究極の混とん状態である。その混沌の中から莫大な潤沢とともに斬新な技術(軍事民事双方の)が次々と生まれる画期的な状態にある。しかし、それの代償として多くの民は安定した生活が奪われてしまうということも頭に入れておかないといけない事実である。当然そういう人たちの悲しい叫びと言うのは私自身、学校の授業や校外学習で何度も聞いてきた。

それに私自身も戦争は嫌いである。本書の冒頭では3年前にイラクで襲撃されなくなった斎藤明彦氏について取り上げられている。このことから民間軍事会社についての文献が多く出てきた。事実私も昨年の夏ごろに読んだ記憶はあるがそれほど覚えてはいない。しかし民間軍事会社については微々たるものではあるが知識はある。

民間軍事会社についてのもろもろはわかったのだが、もっと欲を言えば民間軍事会社に勤めている人たちの現状についても別の機会でいいので書いてほしいと思った。民間軍事会社についての本は多いが、そこに勤めている「人」についてはそういった文献がほとんどないので。

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