ネオリベ現代生活批判序説

ネオリベ(ネオリベラリズム)は新自由主義であり。最近言われるようになってきたものである。90年代にハイエクが提唱してからその名が定着してきたが実際に小泉政権や安倍政権で行ったことはね織部の範疇にはいる。

さて本書ではそのネオリベ思想を批判しながら解説している。まず冒頭に入るのは埼玉大学と埼玉りそな銀行との提携による批判について書かれている。ネオリベを悪い部分を象徴する1つと言えよう。さて本書とはずれるが小泉改革の中で最も大きな改革だったのは「郵政民営化」であった。現在は本格的な民営化はほぼ終わった段階にあるが、はたして市場の荒波にいるのかというとそうとはいえなかった(言える部分はゆうパックなどの貨物配達程度である)。

民営化していても完全独占状態は続いていた。では今の民営化は無駄だったのかというと、現時点では無駄であった部分が大きい。しかし「民間でできることは民間で」の視点で考えるならばまだまだ先にその荒波がやってくるのではないかと私は思う。

ネオリベに関して悪いイメージが多く出ており本書でもその思想を批判しているのだが、私見としては半々の意見である。民営化することにより市場原理の荒波に揉まれ、技術やサービスが進化する観点からでは賛成であるが、それを行うことによって経済・地域格差を助長してしまうという悲観的な観点もあることについては反対である。とりわけ病院は市場原理に基づくことについてはね織部の観点とほぼそっくりである。

医療はサービス業であるので市場原理に基づくべきであるものの、過疎化した地域はどうするのかという観点から市場に基づくべきでない観点がある。それについては政府がある程度の伏線を引いて市場原理をつくらせたらいいのではないかと私は思う。

ネオリベと叫ばれているが、技術の進化の観点で賛成だが、格差の観点では反対である。しかしそれを両方解決できるほど経済というのは甘くない。経済は難しい。