医療再生は可能か

医師不足、「モンスター・ペイシェント」、救急車の私物化、リピーター医師、尊厳死問題…。医療に関する問題を挙げていくと枚挙に暇がない。

本書はそんな医療の現状の整理と経営者の側からの解決策について書かれている。とりわけ「医療費」について多く言及している。

本書のあとがきで気になるキーワードがあったので紹介する。

「国が自分に対して何をしてくれるのか、ではなく、自分が国に対して何ができるのか」

後期高齢者医療制度改革に関しての廃止論が根強いが、高齢者の人口が増加している。これからの医療費の国の負担が増加することは確実である。当然後期高齢者に対しての負担の増加はそう考えると自然であるが、それへの廃止論は叫ぶのはいいがそれに対しての補填も考えなければならない。

野党をはじめとした反対論者はそういった補填は考えているのだろうかという疑いをもってしまう。実際それを国家予算で補填すると税収を上げなければならない。消費税や相続税も上げなければならない。しかし消費者の立場から増税反対は自然である。私は増税は仕方がないが、国民は政治に対する信頼がない。

そういう人たちに税金を渡せないというのはわかる。では政治を信頼するためにはどうすればいいかというと選挙である。国民は選挙による1票によって決まる。したがって自分が国に対して何ができるのかというのは選挙である。国が自分に対してこう保証してくれというよりも自分が国に対してやってくれるような候補者に投票をすること、それが国民に対しての義務ではなかろうか。