金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス

サブプライムローン問題から1年経った。その1年経った今でも景気回復のめどは立っておらず、サブプライムローン問題の解決の糸口すら見出していない状況である。

本書はそういた問題はもとより金融に関する様々な権力について書かれている。

最近投資ブームといわれて久しい。特にそれほど年収の稼いでいない人でも株をやって儲けたという話をよく聞く。私は一切やる気はないのでそれはどうでもいい話だが、事実そういうおいしい話に乗ってばかりいると痛い目にあうことはもうすでに分かっているのでやりたくないというのが本音である。それに現在投資ブームとなっているため証券や銀行はほっといていても稼げるという温床の場となっている。1997年の金融危機を除いてはほとんどの銀行は景気の波にさらされていないのは目に見えて分かる。

さらに本書ではサブプライムローン問題によりアメリカのドルの信頼が失墜してしまったことも挙げている。現在では人民元やユーロが軒並み上がってきており(最近では下落している)失墜のあおりを受けているのは日本くらいであるといってもいい。しかし日本はそういった経済政策には後ろ向きで何も手を打ってこないというのが常套手段である。経済に詳しい人をと言いたいところだが、実行力のある人は日本にいないのだろうか。