コア事業進化論

本書の表紙を1つめくった所にこう書いてあった。

「どんな事業にも寿命がある。
 それがコア事業なら企業の存続も危うくなる。」(一部抜粋)

事業を行うにあたり平家物語にある「盛者必衰の理」の如くいくら繁盛していても、いつかは崩れる時が来る。それが本業、いわゆる「コア事業」であった場合であるならばつぶれる危険性もあるというわけである。とはいえ安定している企業でも何度も存亡の危機に陥ったことはあると考えると、今成長株の企業でも未然に防ぐにはどうしたらいいのかということも考えなくてはならない。

本書はその中でもコア事業、いわゆる本業をどのように成長を持続させ続けるのかという方法をいくつか提示している。

コア事業というと事業の中でも特に専門的、かつ主力的に扱われており当然その分野において深く掘り下げられたところまで事業を展開している。当然そこにも限界は来る。しかし事業の中で本書の第1・3章における「隠れた資産」を見つけることが永続成長のカギになるという。いくら宝をもっていってもまだまだ道の部分が残っているという解釈でよろしいのだろうか。見つけられても成長できなければ元の木阿弥のようであるが。

しかしその隠れた資産というのは可能性やその中における新規事業を見つけだすことも一つであるが本書では事業基盤、顧客インサイト、ケイパビリティ(十分に活用されていない資産)の活用と再定義によるものだとしている。目新しいように思えるのだが、現にやっている企業も多いのでは、もしくはすでにあるものが目新しい表現に変えてそのスタイルを紹介しているのかと勘繰ってしまう。

そうであっても、それを行わずにほかの分野に次々と手を出す企業も少なくない。新しいことよりも既存の事業を手堅く成長させてからという考えも盛ったほうがいい。「餅は餅屋」はこのことだろう。