ユダヤ人 最後の楽園

ユダヤ人は「旅の民族」とも言われる。さらにいえば第二次世界大戦中もっとも迫害された民族でもある。なぜヒトラーをはじめナチスドイツはユダヤ人を嫌悪し、迫害したのだろうかという考えになる。

本書の第2章で書かれているがヒトラーはユダヤ人を非難した根源はヴェルサイユ条約やワイマール共和国によってユダヤ人がドイツ人を牛耳ってきたことによるひどい反感から来たものであるという。ちなみにこれを公的に主張したのは1919年の11月のことである。それからのことはすでにご承知のとおりであろう。後にナチスが誕生し、総統となり、第二次世界大戦の惨禍に巻き込んだ。その中で殺されたユダヤ人は100万人を軽く超えるほどである(正確な人数は不明である)。

ユダヤ人はそれほど迫害されるべき民族であろうか。現在ではイスラエル・パレスチナ問題により揺れ動いているだけにユダヤ人は、どのように生きていけばいいのか路頭に迷うことさえ浮かんでしまう。

しかしユダヤ人は数多くの舞台で成功している民族でもある。例えば有名なところでは「相対性理論」で有名な天才科学者アインシュタインもユダヤ人である。今日ユダヤ人の成功本が多いようであるがそれのルーツの1つとしては19世紀の産業革命と資本主義の発達のもとで経済界において成功したユダヤ人が数多くいることも本書では挙げられている。また兵器を開発したと言えば毒ガス兵器の父といわれるフリッツ・ハーバー、あと夢理論で有名なフロイトもユダヤ人である。さらには「孤独と不安」を最大限に生かした作家カフカもいる。

「旅の民族」の如く、多くの見識と商才を兼ね合わせた反面、いつ国から追い出されるかわからない不安と孤独が入り混じっている民族である。そのことを生かしながら成功に導いていった人も数多くいる。ユダヤ人は楽園を失っても新たな楽園をつくる。というよりもつくっている。経済界など数多くの世界で富を得てつくっている。

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