おまけより割引してほしい

おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書) おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書)
徳田 賢二

筑摩書房  2006-11
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おまけというと何か自分でも喜べるものである。割引もおまけよりは劣るものの自分が得した感じになる。
それはさておき、本書は「経済心理学」の観点から日本人の消費者行動を考察している。まず最初に言及しているのが大学生の消費行動に関してである。高校生までは一応アルバイトはあり、小遣いももらうことがあり、そして実家で暮らしてお金は使い放題であったため遊ぶことに集中できた。しかし大学生になってからはそうはいかなくなる。親元を離れ一人暮らしを始める人が多い。まるで主婦の金銭感覚になったように割引の話になると敏感に飛びつき、そして食事や宴会の話ではしっかりと予算内に収める感覚をつけている。そのためか社会人になってから気分は浮つきながらでも金銭感覚はしっかりとした人が多いというのが実情といえる。
最近では原油高の高騰もあってさまざまなものが値上がりしてしまい、若者の財布の締め付けが主婦よりも厳しいものになっている。とはいえそれは私に言わせれば自然であると思う。私たちの世代はインフレというのを経験しておらず、物価の高騰というのは体験したことがなかった。金銭的な物心がついたときには「失われた10年」の真っ只中であり、デフレなどにより値上げという話はそれほど多く聞かなかった。しかし戦後最長の好景気(実感なき好景気)により経済も豊かになりつつあったときに、世界中で原油高の高騰が起こり、まずはガソリンの暴騰から始まり、それに連なって物価が上がり始めた。当然経済的に言うと値上がりしたのだから節約しようというのは悪循環とは言えど自然なことではないのだろうか。しかし2007年の中ごろにはアメリカでサブプライムローンの焦げ付き問題によりアメリカの経済は急激に減速した。当然日本もその余波を受け最長の好景気が終わりを告げ経済は減速した。しかし原油高は続き、物価の上昇も続いた。いわゆる「スタグフレーション」になったというわけである。
本書を見ると経済学にも種類があり、本書のような形は非常に我々の生活と密接に関係する。こういった経済学を勉強しこういった理論を踏まえたうえでどのような最適な行動を為して行くのかも一つの手段であるが、必ずそういう通りにはいかないと私は思う。しかし興味深さでいうとこういう方法もやってみたいものである。
さて気になるものというと第4章「ベストセラーの秘密」であるが、本が売れるというのにも理由がある。最近では勝間和代氏の本(近々発売するものもある)をはじめとしたビジネス本が密かな(?)ブームを巻き起こしている。そういった本を買うことにより自分の行動を見直し本としての価値が自分の行動によって決まるということであろうか。またそれに関連してかどうかは分からないが、東部ログみたいな書評ブログというのも増えてきている。中にはアフィリエイトで稼いだり、出版社の方々や著者に誘われて食事するといった人もいる。そうなると本を買う価値というのは実は昔と比べて高くなっているような気がするように思えるのは私だけであろうか。デモ本書はそこまで言及していなかったことが残念に思えてしまう。ベストセラー、書評ブログにおける経済学的な価値はどのように見出せるのだろうか。興味深いが誰かそのような本を書く人がいるのだろうか。

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