日本人はこうして奴隷になった

日本人は奴隷になったという。

私もそれに関しては否定できない。むしろ大東亜戦争の敗戦によりアメリカの少しの間の占領統治下の中で日本の文明は崩壊してしまったように思える。ある哲学者は言った「文明が2度崩壊すると、その国は滅びる」と。日本人は明白なものですでに1回は崩壊している。

しかしもっと歴史をさかのぼればもう1回崩壊しているのがあるのかもしれない。もしもその崩壊が見つかったのであればすでに日本がなくなったといってもいいかもしれない。今の日本人には美徳が見られずもっと言うと「小市民主義」に陥っている。

地域のコミュニティが薄弱化してしまい、仲間同士の集団意識が無駄に、そして過剰になっている。ついにはその日本に誇りを持たず日本人と呼ばない人まで出てきている。日本に生まれてこのありさまかとさえ思ってしまう。庶民に限ったことではない。政治の世界でも経済の世界でもである。

ではなぜこれほどまでに奴隷化してきたのか。本書は帰国して見てみた怒りのまま書かれている。今やアイデンティティ無き祖国を、今や無国籍状態となっている祖国を、今や進化を恐れている祖国を、そして美徳を失った祖国についてを。

日本人に忘れたことを著者は解っていたのかもしれない。しかし日本にいる限りわからない日本人独特の強さがある。しかし日本人にも学ばなければいけないところがある。日本が好きだから、祖国だからでこそこの怒りのラッパを書き上げたのだろう。

我々は本書のことを肝に銘じ、何を為すべきかを考えなければならない。
まずは「奴隷であることを気付かせること」。そこからでないと始まらない。