言われた仕事はやるな!

「最近の若者は…」や「最近のサラリーマンは…」といった「俗流○○論」というのが非常に多くなっている。そういう意見が出ると「じゃああなたたちはどうなのよ?」と返したくなるのが私であるが。

さて本書の表題を見ると、「上司などからもらった仕事は一切手をつけるな」と一見思ってしまう。しかし表題はそのように見えて、実はチャレンジの出来る企業、「人をしかる」企業がなくなっているということを憂いて著者はこういう本を出したのであろう。

著者はアメリカでアメリカ流の企業文化を学び日本に戻り会社を興した。実際に今の日本人にはそういったチャレンジングなことを好まないと私自身は考える。実際企業に愛着を持つのは昔からあり、会社に愛着を持つことで日本の経済は戦後目覚しい成長を遂げたことは忘れてはならない。とはいえバブルが崩壊し企業のあり方に変化が生じたことは忘れてはならない事実である。

しかしアメリカなどの諸外国をそのまま日本で使うということはお勧めできない。それぞれの民族性や文化というものに違いが生じている為なじまないことが多い。とはいえ企業形態やあり方がいまや変わりつつあるときにそういった国を参考にしたり、もしくは旭山動物園のように試行錯誤を繰り返しながら作っていくというのが企業確信のひとつの手段かもしれない。

そしてそれと共に会社人間でもなく、仕事人間でもない社会人になること。しかし仕事の効率や仕事への意識というのは当然高くしないといけないというのが必要となろう。そういう意味で今日ビジネス本の売り上げが伸びているというのもうなずける。「仕事はいわれてやる」のではなく「自らその仕事を取りに行く」という意気込みがほしいところである。