知事まさか今夜もピザですか 東国原宮崎県知事秘書の365日

宮崎県知事の東国原英夫氏(以下、東国原氏)が誕生してからもう少しで2年となる。思えば前宮崎県知事の官製談合疑惑により知事が逮捕されるまでに至った。その後の知事選にて東国原氏は立候補したが、それまでに大学中退や妻との離婚、そして芸能界引退と前途多難な状況での立候補だった。選挙戦の下馬評も芳しくなかったが、いわゆる「保守分裂」により東国原知事が当選した。しかしその後も議会では野党が大多数を占めるようなものであったが最近では、議会での紛糾も鳴りを潜めている模様である。当選してしばらくした時から、知事自らあちらこちらで出向き宮崎の特産品をPRするという「宮崎のセールスマン」を自ら行い宮崎の知名度のアップとともに宮崎への観光客の増加につながった。支持率は今もなお80%台をキープしており、もうすでに宮崎県にとってはなくてはならない顔となったのは言うまでもない。
本書は宮崎県知事の政務秘書であると同時にたけし軍団の6番弟子(本書でもビートたけしのことを「殿」と書いている)であり、そのまんま東時代から弟弟子として活動した人である。

まず本書の第1章で東国原知事がこんな爆弾発言を

「バラク・オバマが俺のマネをしている」(p.25より)

どっちが失礼なのかは閲覧者の御想像にお任せするが、両氏にとって共通的なのが「名言」があること東国原知事は「どげんかせんといかん」でバラク・オバマ氏は「Yes we can」で有名である。

本書の話と大きくそれるが、昨日の夜からアメリカ大統領選の投票が始まった。今日の昼ごろには大まかな結果が出てくるようである。世論調査ではオバマがリードであったが果たしてどうなることか。

話を戻す。続いてビジネスの立場で東国原知事を見習わなければいけないのが「タイム・マネジメント」である。本書では東国原知事を「日本一時間を大切にする男」としている。それの証拠に公務以外(ほとんどがバラエティ番組の出演)が過去2ヶ月分(年末年始)が本書で公開されているが、まさに怒涛の日程である。その番組の大半を私は見たことがあるがこれほどの激務であるにもかかわらずつかれている姿を見せていない。それどころか著者の話によると睡眠時間もあまりとっておらず、インフルエンザでの休養以外での休みは1日しかなかったという。さすがにかろうじゃないかと思ったのだが殿やビートたけしこと北野武の名言にあった。

「忙しければ忙しいほど、眠らなくなる」(p.162)

その根拠は

「寝て起きて、それが夢だったら嫌だから」(p.162より一部編集)

きわめて単純明快である。よく好きなことで忙しくなって気がついてみれば朝だったということを体験したことがある人はいるだろうか。あるいはレポートや受験勉強で忙しくて睡眠時間があまりとれなかったものの風邪をひかなかった人もいることだろう。私もその類の一人である。大学3年の秋から就職活動終了のころまでは目が回るように忙しく、1日平均で睡眠時間が約3時間。徹夜は1カ月に1・2回あったほどだった。それでも自分自身は時々疲れるがそれでも何もできないくらい疲れるわけではなく、すぐに課題に取り組める気持ちになっている。どれほど疲れても、だ。簡単にいえば風邪ひいたり疲れたりする以前に忙しいからそんな気にならないということである。

そして最後の往復書簡で東国原知事はいきなりの先制攻撃とばかりに著者を「文章かけるの?」と言って大爆笑。さらに著者から知事へはいきなり「あんちゃん!(芸人時代こう呼んでいたという)」と。まるで漫才である。非常に面白かった。

東国原知事の素顔もさることながら、著者と知事の時に笑い、時に怒り、時に悲しみ、時に楽しむはこれからの宮崎の未来は明るいといってもいい。