「伝説の社員」になれ! 成功する5%になる秘密とセオリー

先月下旬に行われた出版記念パーティーにおいて名刺交換した方である土井英司氏。「ビジネスブックマラソン」というメルマガにおいて毎日1冊ビジネス書の書評も行っているだけではなく、ビジネス書出版にまつわることにも大きくかかわっており、数々のビジネス書出版の裏方として非常に有名である。

さて本書は「伝説の社員」となるためにどのようなセオリーがあるのかということを著者自身のエピソードを交えて提言している。本書ではいくつか名言を取り上げながら書くことにする。

第1章「自分の値段は自分でつける!」
さてここでいくつか名言を紹介する

「ここぞという場所では自分は安く売る、
 その方が後で、何倍ものリターンがある」(p.17より)
「年収300万円として、1000万円は自分で稼ぎ出さないと社員として失格」(p.21より)
「時間と引き換えに、初めて成功を手にできる」(p.30より)

まず自分を安く売ってみる。企業はその価格の裏で何ができるのかどうかというのが自分の本当の価値である。就職するにあたり企業は約200万なり400万もの金をつぎ込んでいる。さらに年収何100万ものお金を企業に投資している。では自分はそれに見合った仕事をやっているのだろうか。そしてそれの3倍や4倍にもリターンのできる社員になっているのだろうかということを考えなければならない。「自分は何をしているのか」「何をすべきなのか」ということを自分なりに考え、そして切磋琢磨していかなければならない。時間がたつにつれそのことにより成功に導くだろうという。その期間は著者によれば「9年」である。著者自身の体験談であるが「継続は力なり」というのがひしひしと伝わってきた。

第2章「付加価値をつければ人生が変わる!」

「人は生まれたばかりの「原価の自分」に、さまざまなかたちで「付加価値」をつけています」(p58より)
「だからこそ彼らは、つねに「仕入れる」ことを忘れませんでした」(p.59より)

人は常に成長し続けることで初めて価値が見出される。上記の名言の通り原価に付加価値をつけるために。それを「自分への投資」というが、それを投資するために金は働きながら成長し、得た金の中で成長し続ける軍資金として成り立つ。さらに時間も管理しなければならない。1日24時間の時間の中でリスクを恐れずにチャレンジしていくことが大切である。しかし会社は毎回のようにリスクのかかるような仕事を振ることは限らない。時には書類の整理やコピー作業などの雑務も頼まれることがある。だがこれも、いやこれこそ自分を磨く手段であり、その中でどのように効率的な仕事をこなすのかということを考えると今の仕事にも工夫すべき点はたくさんある。当然それに関してのエキスパートになればもっと質の高く、そして上のレベルの仕事をもらうことができる。

第3章「最強の自分マーケティング」

「あなた自身が希少品となるために、ふさわしい自己投資をし、ふさわしい場所を発見するために全力を尽くすべきです」(p.111より)

それは読書でもセミナーでも、あるいはちょっとした飲み会でも自己投資となり得る。その自己投資の中で、自分はどのように成長したいのかによってどのように変わるのかが違ってくる。

第4章「「伝説の社員」になれ!」

「人が苦手とすることを、トイレ掃除でも力仕事でも、率先してできる人は貴重です」(p.156より)

まさにその通りである。もっと言うとこれらの苦手とする仕事の中にも仕事上でも、人生上でも意味を見いだせる人もそうではなかろうか。

非常に中身の濃い1冊であった。強調されているものを列挙したかったが、あまりにも多すぎるため、1部だけ取ることにした。著者自身の体験と長年ビジネス書を読んで出した答えがここにある。本書を読んでその価値を見出し、どのように行動していくのかは自分たちの心がけ次第であることも忘れてはならない。