京の和菓子 – 暮らしを彩る四季の技

京都の和菓子は数えるほどしか食べたことがないのだが、シンプルな材料のなかで四季折々の味を楽しめるような漢字だった。もっとも京都の和菓子は四季の魅力をふんだんに盛り込みながらも、シンプルな素材であり、素朴な味わいのなかに四季を織りなすのだからすごい魅力があるとしか言いようがない。本書は京都におけるお菓子の歴史などのイロハを取り上げている。

第一章「人の寄り合う神社仏閣」

京都には数多くの神社仏閣が立ち並んでいる。そのなかでお餅や団子、どら焼きなどのお菓子も販売しており、菓子ごとにそれぞれのスポットでの歴史が詰まっている。

第二章「生活に気づく年中行事」

京都には年中行事そのものが生活に息づいているという。節句にしても行事にしても、祭にしても、それぞれどのようにして息づいているのかを取り上げているのだが、その中にはやはり「菓子」がある。

第三章「四季の風物に寄り添いながら」

冒頭でも述べたように、京都の和菓子には四季折々の味わいがある。その春夏秋冬それぞれの菓子と味があり、事細かに取り上げている。

第四章「菓子の歴史の三題咄(ばなし)」

落語には「三題咄(さんだいばなし・「三題噺」とも書く)」があり、3つのお題を元にして落語を創作し、演じるというものである。古典落語にも三題咄から生まれた演目がいくつかあり、「芝浜」や「鰍沢」が代表としてある。本章ではその京都の和菓子について「点心」「菓子」「和菓子」の三題から歴史を紐解いている。

第五章「京菓子司の手腕と教養」

京都の和菓子店には老舗が多く、代々司(店の店主のこと)を受け継がれていくという。それぞれの和菓子司たちには店の伝統と和菓子に対する矜持が込められており、本章ではその話と和菓子とを取り上げている。

京都の歴史は深いのだが、和菓子も同じくらい深いのかもしれない。代々受け継がれている店と味があり、それが長らく日本人に、そして外国人にも親しまれており、かつ京都に住んでいる方々にも息づいている。