日本人が勇気と自信を持つ本―朝日新聞の報道を正せば明るくなる

良くも悪くも(悪いほうが多いが)大人気の「朝日新聞」の批判本である。こういう批判本を考えると朝日新聞というのはある意味で人気者といえる。

第1章「巨大メディアが垂れ流す歪曲報道」
皮肉はここまでにしておいてまず第1章では朝日新聞の歪曲報道を告発している。歪曲報道で思い出すのが佐藤栄作元首相の辞任会見の一幕である。

「僕は国民に直接話したい。新聞になると文字になると(真意が)違うからね。残念ながら…」(佐藤栄作退任会見より抜粋)

これこそ新聞の歪曲報道の端を発する発言であったのだろう。国民に率直に話したい政治家であるが、新聞を介することによって新聞社自身の思想によって歪曲され、真意とは裏腹の報道がなされる。それによって国民に知れ渡り、浸透し、求心力が落ち、朝日・毎日新聞や野党は首を取ったような表情をするという図式になる。歴史認識問題についてもほとんどの元凶が朝日新聞である。

第2章「朝日新聞の報道を正せば日本は明るくなる」
朝日新聞を正せば日本は正せると思うが、朝日だけを正せば日本が明るくはならないだろう。何せ朝日寄りのメディアの毎日新聞やテレビ朝日系列やNHKを正さなければならない。

第3章「天下り官僚はなぜか血色はいい」
官僚体制について批判している。天下り官僚や世襲官僚が日本を滅ぼしているという(特に外務官僚)。従軍慰安婦問題を大きくさせた要因は河野談話や村山談話であるが、河野談話についてはこれ自体は外務官僚が作ったいかにも作文であるが、これについての談話を踏襲しないのかということばかりがメディアや政治的に取り沙汰されていて、談話を見直すということがないのが嘆かわしい。

第4章「困った隣人・韓国&北朝鮮とのつき合い方」
潘基文国連事務総長の批判から始まる。潘基文事務総長は地図上の日本海を韓国が主張する「東海(トンへ)」と主張したり、竹島問題について言及したりと国際的平等を主張しているとは言えない。韓国に対しては竹島問題や従軍慰安婦、北朝鮮では拉致問題が存在する。経済的には強い連結はあるべきではあるが、政治的にはどうであろうか。前述の問題を引き合いに出さないと言ったことを公言はしているものの、市民団体や野党の圧力に屈して反日に転ずるということも今までに何度もあった。そういう意味を考えるといくら謝罪をやっても、いくら補償をやってもこの反日や戦後責任を求める灯は消えることはまずないだろう。そう考えると割り切って政冷経熱というのが私の考えではベストである。

第5章「中国の嘘を見破ろう」
中国は反日感情が強い国として知られるが、では中国人の思想と国家とは一体何なのかということを知らないと扱いによっては媚びへつらうことになりかねない。まず中国には「華夷秩序(もしくは「中華思想」)」と言った思想が根本にある。「華夷秩序」というのは自分の国だけがこの国の中心であり、韓国や日本などの国々をした、もしくは敵として扱う国である。またお隣の韓国や北朝鮮は1910年の韓国併合までずっと(中国)大陸の王朝に「朝貢」を行ったという。本書では「竜の爪」の話があることを考えると、中国や韓国から見たら日本は「下の下」存在でしかない。
また死者への祀り方も日本と中国でははっきりと違う。まず日本であるが怪談話で有名なラフカディオ・ハーンは日本のことをこう言った

「日本は死者の国である」

神道や仏教を擁している国だからでこそ、である。例えばキリスト教は死んだら天に召される、イスラム教も少し違えど、信教を貫けば天国に行けるという。日本では死んでも地続きとされ、たとえば靖国神社では英霊、その他の神社では御霊が祀られる。仏教の範疇で墓もあり、毎年3月・9月の御彼岸や、8月のお盆には必ずと言ってもいいほどお墓参りに行く。墓や神社に行けば死者に会えるというのが日本である。
ちょっと長くなったが中国とほかの国々の違いを一言で言おう。「死者の扱い方」が決定的に違う。黄リスや仏教など、宗教をもった国々では死んだら罪はなくなり、皆が善意でお墓を供養する。

ところが中国では「絶対不寛容」の原則が成り立っている。簡単にいえば死んでも売国奴などの罪は消え去ることはできない、許されないというものである。約1000年前に亡くなった秦檜の像を少し前まで唾を吐くという習慣があった。売国奴と言われるような輩はたとえ偉人であったとしても許されず、像をつくってそこに唾を吐けというようなことをやる。もっと言うと死者の骨や肉を食み、灰になっても踏み潰し、そしてその子孫や血族を一斉に根絶やしにし、末代まで許さないという考えを持っている。また昨年話題となった例を取り上げるが、石景山遊園地が「パクリーランド」としてTVに挙げられたことをご存じだろうか。あまりにもお粗末なもので笑ったのだが、中国では様々な物の海賊版が今でも横行するほどである。金さえあれば国際的に違法でもやっていいというのが中国人の考えであるというから恐ろしい。

おそらく新聞やTVでは中国批判や韓国・北朝鮮批判というのはほとんどやらないだろう。それ以上に反日運動や自虐史観などを教えられる。しかしその呪縛から脱却するにはどうすればいいのかというと、書評で何度も主張しているが自らの足で歴史を学ぶことがすべてであると私は思う。学校の授業だけで事足りると思ったら大間違いである。そして新聞に目を通すことをお勧めする。ただしこの理由は「世の中のことを知ること」ではなく、ただ単に「新聞社への悪口のネタ」として読むことを勧めるということである。特に朝日新聞は悪口の宝庫なので読むといい。

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