1週間は金曜日から始めなさい 仕事と人生が楽しくなる時間活用術

著者の臼井氏とは先日の読書パーティーにおいて名刺交換をしていただけた方で、今年でなんと9冊もの本を上梓され年末年始には(本書を含めて)3冊の本を上梓されるという。さらに2つの会社を経営されているというまさに「マネーの虎」である(臼井氏は出演されていたので)。

本書はその臼井氏の仕事の根幹となる哲学と方法について書かれていると言ってもいいだろう。書かれていること一つ一つが温かく、そして叱咤激励されている感じであった。臼井氏の上梓した本をいくつか読んだがそういった感じがしてならない。

Part1「タイムマネジメントの基本は時間密度」
「タイムマネジメント」と言えばどれくらい時間を節約できたか、やいつぐらいまでにやった方がいいと考えている人が多いが、本書の「タイムマネジメント」は「時間密度」である。これについては私は大きく賛同できる。1時間にどれだけの仕事を詰め込むことができるのかというのが大きな根幹である。実際に私もこう言ったタイムマネジメントを高校の部活の時に学んだ。吹奏楽部に所属していたがその中で1曲をこだわって演奏することもあるが、各楽器の中で弱いところがいくつもある。それを限られた時間の中でどれだけ練習できるのかというのが毎日の課題だったことをよく覚えている。それに本書では、

「忙しいときに勉強すると、心のゆとりが生まれる」(p.28より)

とあるがこれも同じことが言え、高校での部活は演奏会にコンクールにと引っ張りだこであったため部活以外でのプライベートな時間はほとんどなかった。でもその中でテストでは上位につくこともでき、資格も数多くとった(商業高校だったためか)。そう考えるとこの言葉も非常に共感できる、というよりもすでに体で記憶していたからでこそこう言った言葉に共感できるのではとも思った。

Part2「考えるのは15分でやめなさい」
考えることはいいことだが15分以上考えるとこれは時間の無駄であるというのがこの章である。15分以上考えてなければ次のクエスチョンに行く。質を求めるよりも量を求めるようだが、限られた時間の中でアイデアをダウこともまた質の向上の役に立つのだろう。オープンな回答とはいえど、まるで私見をやっているかのように、「制限時間を設ける」ことこそ、クリエイティブの真髄と言えよう。

Part3「1週間は金曜日から始めなさい」
臼井氏は、1週間の始まりは「金曜日」であるという。そういえばある歌のタイトルを思い出す。Dreams Come Trueの「決戦は金曜日」である。臼井氏いわく「金曜日は「攻撃の日」」と言っているのだからまさにこの曲がよく似合うのではと思う。

Part4「時間は支配した方のものになる」
時間はフェラーリの如く暴れ馬である。
この時間にとらわれることも大事だが、時間にとらわれすぎて人脈が崩壊することとなれば本末転倒である。こう言ったことを書かれているのではないかと思う。そう考えると今は亡き田中角栄の話とも似ている。田中角栄も仕事は忙しかった(とはいえ「計算機つきブルドーザー」の如く事務処理能力は高かった)が、人と会う時間は必ずつくったという。人望の強い人、ビッグになれる人はそういった人と会う時間というのを厭わない人であろう。

Part5「頭がフル回転なら、時間効率はグンと良くなる!」
善くと言ったものがこう言う時間効率を高めるエネルギーになるという。それ以上に気になったのは臼井氏の朝のスピードダッシュの中で「地上の星」と「ロッキーのテーマ」が起爆剤となっているところが面白かった。とはいえがんばるぞというように、気分を高揚させるのであればちょうどいいかもしれない。私だったら…、

サザンオールスターズ/「勝手にシンドバット」

テンションは上がるが、別の意味でテンションが上がるかもしれない。

Part6「時間を上手に使う人のちょっとした工夫」
時間を上手に使える臼井氏なりの「工夫」について書かれている。しっかりと区分けをして資格勉強に臨んだり、朝早くに起きそこで仕事をこなして、余裕で身を構えるもよしと言ったところであろう。
魔法の呪文「かきくけこ」
本書の最根幹とも言うべきところがこの「かきくけこ」にぎっしりと詰まっている。

「か」…簡単
「き」…興味
「く」…グレー時間
「け」…決断
「こ」…行動

これについては本書を見ると自ずとわかる。
共感できることが多く、サラリーマンなりたての人にもわかりやすいように噛み砕いているところがなかなか良かった。時間効率化への思いがこのわかりやすさに通じたのだろう。