日本人とクジラ

昨今では「グリーンピース」や「シー・シェパード」による過激派反捕鯨団体による暴力行為が目立つ。反捕鯨のエゴのあまりそう言うことを行っているが、ではなぜ反捕鯨国は鯨をとってはいけないのか。逆に捕鯨国は鯨を取ることによるメリットはあるのか。日本ではクジラ肉を使った料理があるがそもそもいつごろからクジラ肉は食べられ始めたのか。本書は反捕鯨への批判ばかりではなく、クジラがいかにして食べられているのか、そして捕鯨に関するメリットについて非常にわかりやすく書かれている。まさに「クジラ文化」の入門書と言ってもいい。

第1章「日本人とクジラのかかわり」
日本人とクジラのかかわりは非常に古くなんと縄文時代からであった。私が勉強したのは1945年にアメリカに無理やりクジラの食文化を強要されたと言われているがどうやら違うらしい。捕鯨の文化はそれだけ根深い…かと思ったら仏教が日本に渡ってきてからはこう言った獣を食べるという習慣がなくなり時は隔たり室町時代に入ってから高い階級の人たちが食すようになったと言われている。それから江戸時代にかけていくとクジラ文化が急速に発展し、クジラの食文化が一気に根付きはじめ、さらには葛飾北斎らがクジラの絵を描いたほどである。クジラと日本という固いきずなでむずばれたのは江戸時代に入ってからである。

第2章「クジラを食べる」
私は鯨を食べたことがない。なので本書のありのままの表現で書くことにしようかと。ただしクジラの刺身やベーコンなどの鯨料理は知っている。知っているとしても食べてみなくては分からないので買ってみようと思っているが、吝嗇柄か本以外はあまり買いたくないという困った自分がいる。それは置いといてクジラ肉は牛肉や豚肉などに比べてミネラルや栄養素が豊富で脂質が少ないというこれ以上ない代物である。ほかの国の鯨の食事情から、どの鯨が上手いのかについても書かれている。ここまで書かれると本書を読んだあとからスーパーへ走ってクジラの肉を買いたくなる。そう言う所である。

第3章「世界とクジラのかかわり」
クジラ文化は日本ばかりではない世界中でもクジラ文化はあり、反捕鯨国でもかつては鯨を食す文化があった国もある。特に反捕鯨国の代表格の一つであるアメリカでもかつては鯨を食した文化があり、一説にはペリーが浦賀沖に来航し、開国を要求した理由の一つとして鯨があるとされているほどである。今捕鯨国は日本のみならず北欧もその一つである。古来から捕鯨を文化として根付いている国々が捕鯨の必要性を訴えている。

第4章「クジラの生態を知る」
第5章「クジラを守る」
クジラの生態などについて書かれている。世界中には確認できているだけで83種類もの鯨が生息しており、その中には絶滅危惧種も存在する。今となっては頭数も増えてはいるものの、ノルウェーやイギリスで行われた乱獲によって頭数が激減した時期があった。そのことにより鯨の保護を訴える国が強まったのだが、今頭数は回復しており、どちらかと言えばお門違いになっており、クジラ保護の重要性が何か欠けているように思えるのは私だけかとさえ思ってしまう。

第6章「クジラとどのようにかかわるか?」
では日本人とクジラはこれからどのようにかかわるべきかという所に入る。最初にも述べたように反捕鯨団体の過激な行為によっていかるばかりでは始まらない。こう言った捕鯨文化、そしてクジラと日本人のかかわりを学んで初めて意見を言うというのも大事なことである。ここでは反捕鯨国や団体への批判が連なっているが、しかしそれに関しては意義という所で訴えていかなければならず、生態などミクロな議論についても訴えていかなければならない、と言いたいところだがオーストラリアやアメリカという過激なことをやっている国だ。特にオーストラリアは何かにつけてはジャパン・バッシングをするというまるで中国のような国である。それは置いといていま日本が行っているのは、反捕鯨団体へのバッシングばかりである。でもそれだけでは本末転倒である。クジラを学び、共生することこそ日本の鯨文化の未来ではなかろうか。