環境問題、 ウソとホントがわかる本

今、環境問題があたかもヒステリックに叫ばれている。ここ最近では環境問題対策について肯定・否定・懐疑それぞれの意見の本が多数出版され、「環境問題」という名の本を見ない日が無いほどである。

さて、本書は上の3つのうちどれなのかと言うと、おそらく「懐疑」に入るだろう。しかし本書ほど環境問題について上の3つを取り入れながら合理的に検証している文献は無いと私は思う。では中身に入っていく。

Chapter1「「エコブーム」のウソとホントを大検証!」
例えば以下のことをやったり信じたりした人はいるだろうか。

・マイ箸を持ち歩く
・冷房の温度を28℃にしている
・プラスチックは燃やすと有毒なガスが出る
・地球温暖化は地球にとって害である
・温暖化の原因は二酸化炭素である
・海面上昇・異常気象の原因は温暖化である。
・バイオエタノールは環境にいい・再生紙は環境にいい
・牛乳パック・トレイ・ペットボトルはリサイクルされている
・エコバックは環境にいい
・環境問題に関するキャンペーンはもっとやるべきだ。

私は「信じない」(笑)。ただしこの中で別の理由でやっていることはいくつかある。
それはさておき、検証については補足や反論をしようとなるときりがないので1つだけ取り上げることにする。
私が取り上げるのは「海面上昇・異常気象」についてである。海面上昇と言うとツバルやモルディブ、日本では沖ノ鳥島や厳島神社がよく例に出される。特にツバルは水没の危機にあると言うが、実はツバルが水没の危機にある原因は海面上昇もあるが、その影響は少ない。もっと深刻な原因は地盤沈下であると、オーストラリアのツバルに関して特化した研究所が明らかにした。現に海面上昇は起きていることは否定できないが、それを二酸化炭素排出量削減によって温暖化を食い止め海面上昇を止めることができるという根拠がほとんどない。例えば1日ごとに満潮・干潮があるように数十年・数百年周期でそう言った長竜の減少によって海面が上昇しているのではないかという説も存在しているため安易に温暖化によるものであると決め付けるのはどうかと思う(気温上昇等についても同様である)。

Chapter2「これから地球にやさしいプロジェクトはコレだ!」
しかし、だからと言って環境対策は行わなくていいというのは無責任である。二酸化炭素を削減するや温暖化を食い止めるばかりが先行してしまっては、環境に対して何も変わらない、むしろ悪くなる一方である。ではどのような環境対策を立てていけばいいのか。
本書ではまず太陽光について取り上げられている。急激な人口増によりいまでは原子力・火力を中心に発電によってまかなわれているがこれから温暖化によってはこれでは賄いきれなくなってしまう。一家に1つ太陽光発電があれば環境問題ばかりではなく、電気代のコスト削減など一石二鳥にもなる。またちょっとおもしろいものであるが、「発電床」とも呼ばれるものをJR東日本が実証実験を行っているというニュースがある。またJR西日本でも強風地域での強風対策を逆手にとって風力発電の開発を行っている。それぞれの特性を生かした新エネルギーによる発電というのは私はどんどん事件を行い、そして実用化すべきである。
私が最大の環境対策として考えるのは「海水の淡水化」を挙げている。「環境問題ではなぜウソがまかり通っているのか」で有名な中部大学教授の武田邦彦氏は環境問題は「食糧問題」としている。その食料問題をさらに深化していくと「水問題」となる(食糧をつくるには水がないといけないので)。その水は温暖化により深刻な水不足に陥ることとなる。しかし海面は上昇するという事態になる。そこで救世主となるのが海水を淡水化する技術である。淡水化することによって海面を若干ではあるが沈降させることができ、水不足もどれくらい効果があるのかは想像できないが、いくぶんは解消されるだろう。

環境問題はもはや私たちの中では看過できない問題となっている。今の環境対策は私自身は納得できない。当然企業のコスト削減が環境対策に直結するというのは真っ赤なウソに過ぎず環境問題について真っ向から議論する以前に、真っ先に出たものが独り歩きしているようでならない。環境問題こそ真っ向から議論しながらも新技術でもって対策を講じていくことが大事だと私は思う。