断る力

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まず勝間氏というとディスカヴァーやダイヤモンド社から出てくるというのが強かった。しかし文春新書から出てくるとは驚いた。勝間氏に、

「ようこそ我がテリトリーへ」

と言いたくなる。当ブログでは文春新書は多く取り扱っているので、社会的な傾向が強いところが多いが、こういったビジネス関連を取り上げることもたまにある。たが「たまに」なので勝間氏の本がこういった新書が出されると文春新書ファンの人たちはさぞ驚きの声を上げるだろう。
さて、「断る力」は私がいちばん力をつけたい所である、とはいえ社会に出てまだ間もない私にとってはまだ「断る力」というのを身につけるべきではないとも思ってしまう。一連の仕事を覚えておらず自分がどの仕事が強くてどの仕事が見切りをつけるべきなのかというのが分からない。本書はこれから仕事を身につけようやく分別ができる時に読んだ方がいいかもしれない。

第1章「断る力」の圧倒的な効用を理解する
「断る力」がある人とない人との差は何なのかというと「自己主張」であるという。確かに自分の好き嫌い、得意不得意は自分でしかわからないところが多い。自分の強みを伸ばし自分が苦手なところは思い切って断ったほうがいい。だが断るのは当然ながら引き受けるより精神的、人間関係的に甚大なリスクが生じる。当然「敵」をつくり、同調的風潮にある世間から疎外されることさえある。だが好き嫌いは誰にでもあるよりも、人気のある人は何かと好き嫌いが激しい。本書にある「熱狂的ファン」をつくるというのは同時に「敵」をつくるというのと私自身同意であると思う。最初に仕事における「断る力」というよりも、人生設計における「断る力」というように見えるのがこの章であるので、最初に「私はまだ「断る力」身につけるべきではない」という考えが破綻する。社会人になってまだ間もない私にとっても人生において、熱狂的なファンをつくるという手段はどのようなものでもできると考える。余談であるが当ブログでは本書のまとめ通りにやっているわけではなく、自分の気になった所を中心に評しているため、本書通りに評することはあまりやりたくない。

第2章「ホップ 自分のゆるぎない軸を持つ」
「軸」というのは何なのかというと、自分の観念の中心(簡単にいえば「座右の銘」)なのか、自分の強みなのか、そして仕事を選ぶ基準なのかというのが見えてこなかったが、読んでいくうちに「軸」について分かり始めてきた。まずは自分はどういった評価がつくのか。これは主観的だけでは賄いきれない。会社内の評価、親しい中からの評価、そしてストレングスファインダーなどのツールを使うことで自分の隠れた能力に気づくことができる。そして自分の得手不得手や相性と言ったところまで知る必要がある。自分が断るためには最初に「自分を知る」のが必要である。

第3章「ステップ 相手への建設的な影響力を発揮する」
「KY」という言葉がある。私の大嫌いな言葉の一つであるが「空気が読めない」という。私自身これを言われると本当に腹が立ち、こう言いかえしたくなる。

「空気を読んで何するの?」

空気を読んでただ同調するだけであればただただ空気にのるだけで満足する集団でしかない。特に会議の場とか会話の場とか議論の場とか…、そういった場という所では空気が変わってこないと段々と澱んでしまう。だからこういった「空気を切り込む」ことが私は好きである。本章ではこういったことのほかに「空気を「あえて」読まない」ということが大事である。本章ではいくつか本の紹介もあるが、このことについて肝心な本を忘れていないか。

まさに上記のことを言っているものではないだろうか。
さて勝間氏は自己啓発本やビジネス書を多く読むが「自己啓発本を読んで1つでも実行すること」をポリシーとしている。何度も言っているがこれは「陽明学」にある「知行合一」の理の通りである。私も自己啓発書は読むが、実際に実行するのはほとんどない。これは「知行合一」の解釈の仕方であるが「バカにならない読書術」における養老孟司氏の主張が私と同じように、知ることによって自然に行動が変わる。私はそう言った考えの持ち主である。

第4章「ジャンプ 「断る力」で、自分と周囲の好循環をつくる」
自分の得意分野と言ったことなどを知ったうえで「断わる」ことで好循環を生み出す。友人の中、組織の中で自分の強みを磨くことによってチームワークを築きあげる。最後に勝間氏は、

「間違った考え方、間違った社会にNOと言える力を養うことを考えたい」(p.288より)

と主張している。珍しく「その通り」と言いたい。日本人は外国人から見たら「イエスマン」と言われる。これは日本人の民族性なのか、それとも政治的に妥協しすぎているところが原因なのかというのがあるが、とある大学の教授がオーストリアに留学した話、地元のお勧めの注文を断って自分述べたいものを食べると言った時に、その人ははじめて「友だち」と言ったということを聞いたことがある。日本では同調主義ではあるが、外国の中では自分の意見を通さなければいけない国もある。「No」と言える日本人を築くことが大事である。

「断る」ことは大変リスクのある行動である。しかしここで言う「断る」は選り好みばかりではなく、自分の得手不得手を踏まえて組織にとってマイナスとなることを割り切って断ることが必要である。だからでこそ「断る力」ということか。

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