日本の食卓からマグロが消える日―世界の魚争奪戦

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日本の食卓からマグロが消える日―世界の魚争奪戦 日本の食卓からマグロが消える日―世界の魚争奪戦
星野 真澄

日本放送出版協会  2007-01
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マグロというと日本を代表する刺身の一つとして知られている。私も好物のひとつでご飯と一緒に食べるということが楽しみで仕方がなかった。戦後最長の好景気となった時には原油高の高騰もさることながらマグロの単価も急騰した。先進国の「日本食ブーム」によりマグロの需要が急速に高まった。とりわけ中国ではそれが顕著に表れたという。
本書はマグロ市場の現状について書かれている。
第一章「空前の海鮮ブームに沸く中国」
今世界恐慌により経済的にやや減衰しているとはいえ中国は高度経済成長真っ只中でありGDPでドイツを抜き世界第3位となった。それが食生活にも表れ、日本の食生活を模倣するようになってきた。ご存じであるが中国の人口は日本の人口の10倍以上にも及び日本の食生活に近いものとなると、消費量が尋常ではない。魚のみならず穀物などの食料が枯渇状態になりやすくなるのは火を見るよりも明らかである。
第二章「中国市場を目指す日本の漁業者」
中国の食生活が豊かになりだしたと反比例したのかどうかは定かではないが少子高齢化により本書では「胃袋」が減少したというふうに喩えられているように、米ほどではないものの魚の需要量も減少している。さらに原油高の高騰もあってかさらなる買い控えも出てきた。それに困窮した漁業者はインフレ状態にあるが日本より物価が安いということなので中国市場を目指すという風潮があった。しかし原油高は落ち着いた今では日本の市場に戻っているのかというのは分からない。
第三章「世界一のマグロ消費大国 日本」
第四章「存亡の危機に立つ日本の遠洋マグロ漁船」
第五章「世界でマグロの争奪戦が始まった」
日本は世界一の消費大国といわれており、寿司店でもマグロやトロは大人気のネタである。しかし乱獲により日本のマグロ漁業枠がどんどん規制され、マグロの値段が高くなった。さらに遠洋マグロ漁船も減少しており、輸入に頼らざるを得なくなった。そのことと前述の世界的な需要の増加により日本にマグロが出回る量が減少した。世界的にマグロ争奪戦が起こり日本は劣勢に立たされている。
第六章「中国の国家マグロ普及戦略」
世界的なマグロ争奪戦の渦中に入っているのは中国である。目覚ましい経済成長により世界中から食糧を買いあさっていると言っても過言ではない。日本はその中国の戦略にのまれ始めているのかもしれない。
第七章「日本人の食卓の今後」
今はそうではなくなってきたが原油高高騰だった時は、原料の高騰により様々なものが軒並み値上がりした。その中で買い控えが目立つようになった。では食生活はというと、忙しさのせいか、冷凍食品や惣菜で済ます傾向も見られ、魚の需要が減少しているのは事実である。
マグロは日本人にとってなくてはならないものである。しかしそれが世界的な需要により手に入らなくなることもあるが、日本人による買い控えという悪循環も相まって、日本におけるマグロ需要の減少に拍車をかけるのだろう。ただし、本書が上梓されたのは一昨年のことであり、この2年間で急速に景気が変わった今、マグロの市場はこれまでとは違った変化を見せているのかもしれない。

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コメント

  1. 編集部.K より:

    世界のマグロの漁獲量の約30%を日本が占めているといいます。そういえば、中国の存在がありましたね。日本で乱獲をやめたとしても…。ということは、日本の役割としては、中国とのお話合いでしょうか。

  2. 蔵前 より:

    >編集部.Kさん。
    コメントありがとうございます。
    景気が後退していったとしても中国の需要の伸びは看過できません。
    当然中国にもマグロ争奪戦に関する戦略は立ててきているわけですから、日本の立場に立ってみた時には、話し合い、もっぱら交渉という「駆け引き」という要素のほうが大きいだろうと思います。

  3. Yahoo より:

    日本の料理士がやさしいから、世界各地の料理を紹介する世界に教えている寿司屋 ⇒ 中国人、印度人も魚を食べられる。
    日本近海での漁獲量減少、欧米・中国等での魚介類需要の増大。欧米、中国での日本食ブームや国内漁獲量減少に伴い、『マグロが食卓から消える?』
    そういうことはいいことではない。中国人口は13億 人超えていますが中国人は一人が一日一匹魚を食べますと13億匹の魚が必要な消費量乱獲と汚染により中国近海の漁業資源が枯渇したことが、中国漁船が大挙して他国まで獲り尽くすから尽きるんだろ・・・。。
    日本の刺身マグロの需要が生まれ始めた。13 億人の人口を抱える中国では、国民の1割がマグロを食べ始めただけで、日本と同じ規模の市場が出現する。中国の生活水準の向上、健康志向、世界で最も健康的な日本料理和食なんだけど魚食ブームによって、日本の刺身マグロだけでなく、供給が追いつかず、魚をめぐる日中の争奪戦は、魚介類は屠殺に始まっている。可哀そう。

  4. 蔵前 より:

    >Yahoo さん
    コメントありがとうございます。
    中国をはじめ欧米各国でも日本食ブームは止まらず、マグロだけではなく、あらゆる魚の争奪戦が行われている様相ですね。
    その時に漁食が盛んな日本は魚を保護する、もしくは資源を大切にするにはどうしたら良いのか、政治・国民双方の立場殻考える必要があるようです。