チョコレート

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チョコレート チョコレート
モート・ローゼンブラム 小梨 直

河出書房新社  2009-01-16
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本来であれば先月の14日に取り上げるべきだったのだが、なぜかこの日に取り上げることになった。バレンタインデーと言ったら「チョコレート」を女性から男性に挙げるというのが慣例だが今年はなぜか「逆チョコ」というのが話題となったようだ。しかしバレンタインデーの元は紀元前にさかのぼり、ローマ皇帝の迫害下で処刑された聖ウァレンティヌスに由来する記念日であると言われている。そのことからあまり縁起のいい日ではないようだが、日本ではチョコレートを贈る日になっているのだが、欧米ではそれに限らず贈り物を送る習慣があるという。どちらにしろ菓子業界の陰謀というとそれで終わりとなってしまうのだが。
さて本書はチョコレートの起源や物語に限らず、チョコレートにまつわる貧困や政治問題、最新の科学研究までチョコレートにまつわることすべてを一冊にまとめたものである。チョコレート好きな人、チョコレートについてマニアックでありたい人にはお勧めと言っていいだろう。全15章で構成されており、全部取り上げたいと思うのだが、書いている方も読むほうもしんどくなるのでいくつかピックアップして取り上げることにする。
第1章「神々の朝食」
この章題を見たとき、一瞬ローマ神話やらギリシャ神話やらが出てくるのではないのかと邪推する私がいた。ここではチョコレートの歴史について書かれているが第3章に詳しく書かれているのでここでは中・近世ヨーロッパ時代でチョコレートの位置付けから、アメリカ独立戦争の時のチョコレートとは一体何なのかという所に焦点を当てているようである。高校で世界史を学ぶなかで最も色濃い部分をチョコレートにスポットを当てながら学んでいる感じがした。歴史好きであればこう言った傍流の歴史を垣間見るのもまたおもしろい。
第2章「ショコラ――その魅力に取りつかれた人々」
「ショコラ」はフランス語なのだが、この意味は「チョコレート」ばかりではなく「ココア」も表している。今では子供からビジネスマン、老人に至るまで食べられている。科学的にも脳に良いことが証明されているが、これは第15章で詳しく語られている。余談であるがチョコレートを愛する人を「ショコラティエ」と呼ばれている。
第3章「種の起源――チョコレートの誕生と進化」
さてチョコレートの歴史に入るが、チョコレートの歴史は世界的に見たらかなり古く、紀元前2000年にまでさかのぼる。当時はメキシコ南部(「オルメカ文明」で栄えた所)チョコレートの原料であるカカオを原料として様々なものを加え強壮剤という名目で飲まれていた。ただまだまだ解明されていない部分が多い。ヨーロッパ大陸に入って今のようなチョコレートになったのは16世紀の話である。
では日本はどうなのかというと江戸時代中期にオランダ人から買ったものにチョコレートがあったというのが始まりであるが、庶民の間で登場したのは明治に入ってから、ちょうど文明開化のころである。
第4章「チョコレートと七面鳥」
第5章「ほろ苦い町ハーシータウン」
第6章「チョコレート海岸」
第7章「プリンシペ島のクラウディオ」
第8章「チョコレートの殿堂ヴァローナ」
第9章「フランスの名ショコラティエ」
第10章「ベルギー――ホビットのチョコレート」
第11章「女王のお召し物――ゴディバ社の謎」
第12章「バラのクリームと代替油脂」
第13章「伝統のスイスと新生ロシア」
第14章「ヌテッラをさがせ!」
第15章「身も心も――チョコレートは体にいい?」
第2章で述べたようにチョコレートを食べるのは体にいいということは証明されている。ではどういった効果をもたらすのか、それが証明されるまでは一体どのような位置づけだったのだろうか。科学的に証明されるまでは、「食べると太る」「ニキビができる」というのがあった(証明された今でも謝った常識として挙げられている)。
科学的に証明されていると繰り返し言ってきたがでは、度に様な照明がなされてきたのかというのを説明する。カカオには「脂肪分」があるのだが、これらは直接コレステロールに影響せず、さらに不飽和脂肪酸であるため直接太る要因にはならない。カフェインは若干入っているのだがコーヒーやお茶ほどではないとも言われている。さらにカカオ・ポリフェノールというのが含まれており、老化を防いだり、血圧を下げる効果をもたらす。ポリフェノールについてはまだまだ研究の余地があり、これからどのような効果が表れるのか期待されている。
第16章「合衆国チョコレート革命の兵士たち」
第17章「キャンプ・カカオ」
本書は最初から最後までまさに「チョコレート」であった。チョコレートにまつわる歴史・文化・効果というのがこの1冊で学ぶことができる。これ1冊だけでチョコレートについてありとあらゆること学ぶことができるため知識は欲しいけれどそれほどお金をかけていられない人にとってはお勧めだが、チョコレートについてもっともっと研究したい、多くの文献を読みたいという人にはちょっとお勧めできない。というのはこの1冊だけで研究が終わってしまうからである。それだけ内容が網羅されている1冊である。

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