1の力を10倍にする アライアンス仕事術

平野敦士カール氏は今春3作連続して出版される。まず明後日発売される「がんばらないで成果を出す37の法則―アライアンス人間関係術―」、来月の8日発売される「アライアンス「自分成長」戦略」、そしてもう1作あるということなので、今春はカール氏の本で成長に弾みをつける時にしてみたらどうか。

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さて、この本を期待をかける前にその原動力となった1冊を紹介しなければならない。今回は昨年5月に発売された「アライアンス仕事術」である。周りの書評ブロガーたちも大絶賛した1冊である。アライアンスを見直すということで紹介してみる。

第1章「アライアンスで仕事も人生も劇的に変わる――そもそもアライアンスとは何なのか?」
「アライアンス」とは一体何なのか、それは「同盟」や「連合」を表しているという(p.18)より。英語で表すと「alliance」と書く。さて、著者の言うアライアンスは「同盟」を組む、そのためには人を巻き込んだ仕事、思考、情報整理、人脈、勉強、キャリアアップに役立てる。それだけではなくお互いに「win-win」の関係を持つことによって相乗効果を生み立たせるというのがこの「アライアンス〜術」というものである。著者はこの術を「おサイフケータイ」のクレジット機能を発案し、それを実現させた。

第2章「アライアンス・シンキング――「抜きんでる人」でなく「助けてもらえる人」になる」
さっきも書いたとおり著者は「おサイフケータイ」を発案した。自分のアイデアを会社に持っていくことは非常に難しいが、まずは行動を起こさない限り人を巻き込んでの連鎖反応はない。そしてその考えが初めて現実のものになろうと動いた時に、共有された想いとなり、壁をぶち破るためのイニシアチブをとった。
このアライアンス・シンキングにより助けてもらえる人になるためにはもらう以上に多く「与える」ということが大事である。ここでの「与える」というのは他者にとっての「メリット」のことである。

第3章「アライアンス情報整理術――「ひとりでに情報が集まる人」に自分を変える」
「情報は人に乗ってやってくる」
昨年の11月、及び今年の2月に開催された「出会いの大学」の千葉智之学長が仰っていたことである。アライアンスによる情報整理術もこのことが言えるだろう。
著者が最強の情報収集として役立てているのは「ランチ」。誰と会い、どのような情報を集めるのかを決めたランチほど強い情報収集はないという。私は最近そう言うのはなくなったが、よく仲間内で「これからお昼にしよう」ということで半ば偶然、半ば惰性で一緒に昼ご飯を食べる。その中では世間話やバカ話と言ったもので盛り上がる。しかし著者の言う「アライアンス・ランチ」は惰性ではなく、綿密・計画的に決めて情報収集を行うためにランチを行う。
そして情報整理の要となるメール整理や情報管理いったところはメールやグーグルで行っているという。

第4章「アライアンス人脈術――「いつも助けてもらえる人間関係」を効果的につくる」

「説明書は5行で書け」(p.141より)

人脈術でありながらいきなり仕事術かという突っ込みは置いといて、
この章では人脈の磨き方もさることながら交渉術に至るまで書かれている。とりわけ印象づけられたのが「自分の魅せ方」

「「デキる人」になるよりも、「スキのある人」。「切れる人」よりも「ちょっと抜けた 人」。「格好いい人」よりも「愛嬌のある人」を目指すということです。
 例えば私の場合、アライアンス仕事術を駆使していくうえで、都合がよかったのは、誰が見ても間違いなく“太っている”という体系でした。」(p.151より)

著者が講師のセミナーのみならず、様々な場で私はお会いするが、ふくよかな体系でありながら笑顔で接してくれることと愛嬌の良さには圧倒される。人脈の形成はこれで成り立っているのかと考えさせられる自分がいた。

第5章「アライアンス勉強術――楽しさと効果が10倍アップする学び方」
自分自身の価値を高めるために学ぶ対象を設けないで頭の容量を広げたり、「アライアンス」なのでお互いに切磋琢磨できたりすることによって勉強は相乗効果で何倍も大きな効果をもたらす。

第6章「アライアンス・キャリアアップ術――自分の想像を超えた“ワクワクするキャリア”を手に入れる」
自らの「価値」を知り、高めていくことこそキャリアアップの神髄でありそれを高めるために相手を巻き込むことである。アライアンスは自分を知ること、自分が何をしたいのかを考え・想い、相手を知って巻き込んでいくことが著者のいう「アライアンス」である。

本書は「アライアンス仕事術」と銘打っているが、様々な「アライアンス」の根幹を成している1冊である。最初に述べたようにこの春は怒涛のように「アライアンス」が乱舞する時期である。その時のために前もって本書を持っている人は復習を行ない、買っていない人、これから「アライアンス」を究めたい人はぜひ買うべき1冊である。