子どもは若殿、姫君か?【再掲】

「蔵前トラックⅡ」に移転して一番最初に取り上げたのが本書である。当時はこう書評していた。

皇太子殿下の恩師であり、元学習院初等学科長である川嶋優氏が日本の教育について説いている。本書を読んでわかったのは、非常に的を射ていた。今の子供たちが大人をなめているようになったのは子供にも悪い部分はあるが多くは大人に非があると私は思う。とりわけ、いまは「叱らない」大人が増えているように思える。今の子供は目標とできる大人、そして心から叱ってくれる大人に飢えていると考える。でも子供をしかることを大人たちは恐れている。そして古くからの常識・礼儀を知らない子どもと大人もいる。日本人がどれだけモラル、そして日本独特の風格を失ってしまった最大の要因は戦後GHQによる日本の解体にある。日本は独自の民主主義があったがアメリカスタイルを押し付けられてしまった。ちょっと飛躍になるが憲法を改正し、日本独自の憲法と民主主義を持つべきである。

本当に飛躍してしまったと正直に反省(笑)。
一番最初であったが、今の書評も上記の文章が冗長的になったというだけになってしまっていると我ながら反省している。ただこの書評からスタートをして1年。どう変化したのか、どう成長したかというのは自分自身は分からない。成長したという評価自体は閲覧者に委ねるとしか言いようがない。ただずっと前に進んでいた分、最初を見返すというのはこれからの書評にとって、何らかの成長道具になっていくのであろう。

上記の本の話に戻る。本書は日本の教育というよりも教育を通じた子育ての在り方を問い質したものである。最近の教育・子育ての状況は全体的に見たら本当に一日本人として育つのだろうかという疑いは禁じ得ない。

この問題を真正面からといた本書は子育てをする親や学校教師にぜひ読んで頂きたい一冊である。