愛され力―本当のあなたはもっと愛される。

まず先に断わっておくが、本書は女性が「愛されるため」にどうすればいいのかというのを伝授している一冊である。男性の立場から見て本書は役に立たないのかというとそうではない。むしろ女性がどのような方法であれば愛されるのと裏かえしのように男性にも「愛される」ためのヒントが隠されている。

1章「愛される理由を知ってますか」

「男の優しさには真実(まごころ)があり、女の優しさには利己主義(おまえ)しかない…」(p.12より)

男は真実、もしくは純粋さを語る。女は自分自身の尺度でもってそれを見抜こうとする。女は男に尽くすことよりも逆で、男の方が女に尽くすという。男の立場からすると精一杯尽くしたほうがいいということだろうか。男は女性を求めるためには純粋にでもなるということなのだろうかと考えてしまう所である。

2章「愛のトラウマの抜け出し方」
「恋愛」というのは何なのかというと星の数ほど解釈できるのかもしれない。しかしこの恋愛にもトラウマがあるという。時として恋愛は泥沼に陥りやすく、さらに甘い夢であり、そこから覚めると冷たい孤独が待っている。特に彼(もしくは彼女)をふったりふられたりしたときのトラウマの解消法、そして予防法について書かれている。
そして後半には男の立場の恋愛を隅から隅まで知り尽くした作家の渡部淳一氏との対談が載せられている。男と女の恋愛の相違について熱い議論が交わされている。

3章「愛を引き寄せる女は「幸せにする男」を知っている」
こんな男を恋人に選びましょう(p.100より)」の如く、男性も「女性に選ばれるためにこうなりましょう」ということについて見てとれる。
男が女性にもてるため(?)には身だしなみ、声、お金の使い方諸々、すごいと言われるものを身に付けたほうがいいとしている。
本章の最後には「女に騙されやすいパターン」というのが書かれている。その中に
・憂国の志士
があった。
騙されやすいのですか(泣)。
でも騙されていいほど器量の大きい男になってやろうと思った人が中にはいたりするのかもしれない。

4章「愛の実践ノウハウがわかりますか」
恋のノウハウというのがここに詰まっている、と同時に男もこのノウハウでもって自らを反省しなくてはいけない。とりわけ著者が一番叫んでいたのは、

「出でよ断言男」(p.147より)

だろう。優柔不断な男もいれば、きっぱりと言う人もいる。どちらが女性にとって受けがいいのかというのもちょっと考えさせられるが、きっぱりと断言してしまったほうが男と女のわだかまりがなくなるというのであればむしろそちらの方がいいのかもしれない。

5章「心とからだの上質な愛、もってますか」
さすがにこれはあまり触れすぎると「R-18」の要素も出てくるためあまり触れないようにしておく。要は男と女の関係は心や身なりばかりではなく体での感じ方というのもあるという。

本書の内容ではないのだが目次前の著者の詩の冒頭部分が異様に気になった。

は合わせ鏡」

男は女のために、女は男のために様々な形で磨き続けその合わせ鏡はより細やかに映えるようになる。「愛する人のため」と言えるような存在がほしい今日この頃である。