できる大人の“一筆添える”技術

今やパソコンやメールといったものが中心となっている時代である。パソコンが誕生し、インターネットが庶民の間で急速に普及しだしてから、メールという文化によって世の中は便利になった。

同時に昔からあった「手紙」などの「肉筆」の文化が荒廃の足音が聞こえ始めてきたように思える。

しかし、そういった時代だからでこそ「文章」や「手紙」といった手間のかかるものが重宝される時代なのではないだろうか。

本書はパソコンやメールではまずできない「一筆添える」手間の良さを伝えるとともに、肉筆で描く温かみを伝える1冊である。

STEP-1「いつもの書類の一つ上に「一筆箋」を添える」
「一筆箋」というのが手紙の一つとしてあるというが、私自身それについて知らなかった。例えば営業などの書類を送るときに「一筆箋」添えるだけでも相手からの印象ががらりと変わることが多いという。大げさなことをして相手に迷惑がられるよりも、「一筆箋」でささやかなお礼がある方が相手にとっても喜ばれる。
本書を読んだら実践しようという考える人もいるのだが、そこは著者の思うつぼ(?)なのか、本書の付録として「ミニ一筆箋」が5枚添えられている。まずはこれを使ってみるのもいいだろう。

STEP-2「感謝の気持ちが信頼関係のはじまり「ハガキ」を書く」
ハガキというと年賀状や暑中見舞いといったものが想像できる。手紙のほかにも感謝の気持ちを込めてハガキを送るというのもまた一つの手段である。
特にセミナーや異業種交流会では名刺交換後にハガキを送るというのも一つの手段として別の本にも挙げられているほどである。
またバースデーカードや日本ではなじみの薄い「クリスマスカード」もまた相手への感謝の気持ち、祝う気持ちを与える一つの手段といえる。

STEP-3「慣れてきたら遊びを取り入れて「記念切手」で印象を高める」
これはなかなかおもしろかった。「切手」にもこだわりを持つ人がいるとは、そして「切手」の貼り方にも「遊び」を入れるということには驚きを隠せなかった。
特に手紙を送るときとかにこう言ったことをするというのもまた、「書く」事を楽しくすることができる。

STEP-4「もっと相手に喜ばれるために「筆記具」で気持ちを伝える」
「文房具」は最近になって特徴的なものが出始め、「文房具朝食会」という会までできるほどとなった。私も文房具に関してはいくつかのこだわりをもっているのだが、セミナーに参加するようになってこだわりをもっている人に出会うと「まだまだ(自分は)足元にも及んで

いない」と自分自身反省しきりである。
STEP-5「もらってうれしい手紙の「書き方のコツ」」
「書き方」もまた、個性を出すことができる。また書き方には文書と同じように「TPO」をわきまえないとかえって失礼になってしまう。礼節の範囲内で、そして特徴や遊びを出していくことが、「一筆」の醍醐味と言えよう。

手紙やはがきなど、「書く」というのが私もほとんどやらなくなった。しかし本書はその「書く」楽しさが非常に伝わる一冊であった。
STEP-1でも書いたように本書には付録として「ミニ一筆箋」が5枚ある。それを使って実践してみたらどうか。