ポジティブ思考なんて捨ててしまいなさい!

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ポジティブ思考なんて捨ててしまいなさい! (「ドリームスキル・クラブ」シリーズ) ポジティブ思考なんて捨ててしまいなさい! (「ドリームスキル・クラブ」シリーズ)
臼井 由妃

学習研究社  2009-08-05
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こういった時代のせいなのか、ビジネス書や成功本といったものが売れに売れている。現に公認会計士・経済評論家の勝間和代氏の本は飛ぶように売れており、勝間氏は政府からマスコミから引っ張りだこの存在にまでなった。成功本やビジネス本など「働く」ということに悩んでいる表れであろうか。
しかしその成功本やビジネス書でもよく語られるのは「ポジティブ思考」というものが多い。「ポジティブ思考」というのは別に悪いわけではないのだが、時としてこれが悪い引き金になりかねないことさえある。ましてや成功本はその人が成功した事例や法則を取り上げているに過ぎず、必ずしも成功することは限らない(だから「仮説・検証」を読了後にやる必要があるというのはこのため)。本書は巷の成功本で書かれている思考について一石を投じながらも、「等身大の自分」を鑑みながら進んでいく術を紹介している。

第1章「悩みに押しつぶされそうなあなたへ」
人は誰しも悩みというのは持っている。「悩み」は政治学者である姜尚中の「悩む力」にもあるように、後々の人生で大きな糧となり、人生においてもなくてはならないものとされている。
しかしいったん悩みだすと人それぞれであるが、とことん悩んでしまう性質の人もいる。実際に私もそうである。他人からはごく些細なことであることでも自分のなかでいつも悩んでおり、自分の将来や人生設計から、明日の仕事に至るまで様々な悩みがある。現に書評している今でも悩んでいる言わば「悩みの総合商社」と言えるくらいかもしれない。
ただ成長や本章で書かれている「破壊」と言うのはこういった悩みや苦しみと言ったものから得られるものが多いということを考えると、まんざらでもないかもしれない。

第2章「逆境から立ち直れないあなたへ」
逆境は、周りや文献からみて良いように扱われているが、いざ自分がその立場になるとこの場から逃げ出したくなる。
私は「今逆境に立たされている」という感じは周りから見たらあるのかもしれないが、自分自身そんなことは何も感じずにここまで24年間生きてきた。苦しい時もあるが、それをも愉しんでしまう性質だと思う。
本章では自己啓発本にのめり込んで離れられない、いわゆる「自己啓発難民」についても言及している。

第3章「心が疲れてしまっているあなたへ」
「21世紀は「心の世紀」」ってもう何回言っただろう。
心理学や哲学と言った「心」や「精神」と言ったものがあると必ずと言ってもいいほど書いてしまう。飽きてしまったのであえて書かないということとなると、「私はこの言葉楽しみにしているのに、何で書かないのですか」というお叱りが来る。
ヨタ話はここまでにしておいて、心に疲れが出てきやすい時代なのかもしれない。その疲れが、うつなどの心の病となってしまう。こういう事態に処方箋と言うのははたしてあるのだろうか。
本章では「ため息をつかない」「作り笑顔をしない」などが挙げられている。

第4章「心と体を柔らかくしたいあなたへ」
私は子どものころから体が硬くて、屈伸もあまり曲がらない。だから頭も固くて、性格も融通が利かなくなっている所以かもしれない。ダイエットと言うよりもある種の運動に近くなっているのだが、最近ストレッチにはまっている。前屈といったことをしながら書評のネタを考えるというのもまた面白くて、こうやって文章を書いているのも、ストレッチで出たネタが功を奏しているのかもしれない。
心と体を柔らかくする、言わば「ストレッチをする」方法と心構えについて書かれている。

第5章「曲がった心をまっすぐにしたいあなたへ」
本章のなかで、胸に突き刺さった言葉がある。
「時計を外すと、気づくことがある。(p.200より)」
私は時間を気にするあまりか、時計はいつも持ち歩いている。時計を外しているというと忘れてしまった時という位である。もっとも粗忽者の私はむしろ忘れてしまう方が多いかもしれないが。

本書は等身大の「臼井由紀」がふんだんに書かれている。著者自身成功本といったものに疑問を呈し、自他共に認めるネガティブ思考の持ち主であったという。その性格だからというのも一つの要因なのかもしれないが、現に倒産寸前だった会社を再建させ、年収数10億もの企業にまで成長させ、自らも数々の資格を取得しながら有効に活用していった経歴がある。
ポジティブばかりでは無鉄砲となり、ネガティブばかりでは人はグズになる。ポジティブとネガティブのバランスがあってこそ、物事を多角的に、かつ冷静に、ある時は攻撃的に、ある時は守りを持って考え、戦略を立て、行動することができる。本書はポジティブの砂漠にできた一つのオアシスと言っていいのかもしれない。

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