うまくいく人が必ず持っている黄金の仕組み

何回も繰り返すようだが、2009年は「仕組みの年」である。これまで様々な「仕組み」について出会ってきたが、本書はその仕組みづくりの頂点を極める中山マコト氏自ら築き上げた「仕組み」を余すところなく紹介している。それだけではなく、中山氏が認めた「仕組み名人」たちの「仕組み」についても紹介している。

第1章「「仕組み」は悠々人生のパスポート」
「仕組み」とは、本章で言う「磁石」を言っている。
つまり収入や人脈を引き寄せられるように手に入れられるもの、コトを言っている。これまでとり越し苦労をしてきた営業や無駄というものを省きながら効率的に設けるというのが、仕組みだという。

第2章「僕が作ってきた「仕組み」を大公開!」
著者の中山氏は「シンクロニスト」という肩書でやってきている。
このシンクロニストと言うのは一体何なのか、そもそも中山氏はどのような仕事をやっているのだろうかと言うことについて、誰もが気になるところであろう。
中山氏はクライアントの悩みを聞き出しながら、キャッチコピーを提案するということをやっている。その聞き出し方の方法については処女作にて詳しく紹介されているためここでは割愛する。
中山氏自身の仕組みと言うのはとてつもなく理にかなっていながらも、ブルー・オーシャンを見つけ、独自の道を切り拓いている。紆余曲折と言われる人生の中で自分の強みに特化しながら形成していった中山氏は本当に「すごい」の一言に尽きる。

第3章「仕組み名人たちの「発想法」を学ぼう!」
ここでは中山氏以外の仕組み名人にスポットを当てている。
確か4月半ばに両国で行われた「仕組みまつり」で講師を務められた人の中から三浦辰也氏俣野成敏氏、そして田中正博氏の御三方である。

第4章「強い「仕組み」の条件とは?」
「仕組み」と言うのは一度形成されれば簡単なのだが、永久に回るものではない。止まる時はいつか来るものである。それを維持させるためには自分でコントロールをするところを持ちながら、環境によって幅を利かせる「自在」と言うのがなくては成り立たない。
中山氏や第3章で紹介された御三方はそのことを熟知している。
「仕組み」はできたとしてもこれから大きく成長する「伸びしろ」と言うのがあり、それを強くさせるのは自分次第であり、決してのまれず、流されず、「一発屋」にならない「仕組み」と言うのが安定的、かつ強く回るコツと言える。

第5章「コトバが決まれば、「仕組み」が動き出す!」
著者の真骨頂と言われる「コトバ」のところである。
今までに、キャッチフレーズアイデアに関する本が続々と上梓されている。
本章では「キャッチフレーズ」を決めることによって、「仕組み」と言うのは大きく、かつ安定的に動くという。
「言葉」と言うのはなかなか奥が深い。中には1度聞くと頭から離れられないものもあれば、逆に2・3度聞いてもすぐに忘れ去られてしまうものもある。
1度聞いたら忘れられず、かつ自分自身を象徴させるキャッチフレーズを作るにはどうしたらいいのか、本章では「自分自身を棚下ろす」と言う所から始まるという。自分自身これまで何をやってきたのか、強み、弱み、専門性など自分自身にまつわることについてとにかく書きまくるという。
自分自身を知ることによって初めて「オンリーワン」となるフレーズに行きつくという。そしてそれを様々な形で発信し、「仕組み」を形成させる。簡単なように思えるが、実は壁に当たることが多く、行きつくには時間がかかるという。

第6章「あなた自身が動かす「仕組み」」
本書のあとがきに当たるところである。キャッチフレーズなど言葉ができ、様々な媒体を用いて「宣言」をする所からスタートをする。しかしそれだけでは仕組みと言うのは成り立たないという。宣言をするだけではなく、「締め切り」を利用してのっぴきならない状況を作ることも「仕組み」を動かすということで大切なことだという。

「仕組み」の作り方がこれでもかという位、余すところなく語り尽くしている。何と言えばいいのか、仕組みについて本当に「濃い」講義であったように思えた。中山氏の「仕組み」に対する、「思い」と「考え」が痛烈なパンチとなって襲ってきたようである。
本書はまさに「痛快!」という言葉が良く似合う。そんな一冊である。