ピンチをチャンスに変える51の質問

「質問」と言うと理解できないことを理解する上で相手に訊き出すという役割を担っているが、本書ではそういった堅苦しいものではなく、もっと明るい感じを持った「質問力」を鍛える一冊と言える。「質問」とはいっても様々なものやTPOによって違っており、たとえばコンサルタントの立場では相手の意見をえぐり出す質問法、弁護士のように相手の嘘や虚を見破る、もしくは突くような質問法が存在する。しかし本書はと言うと少しスケールが広く「ピンチを乗り切る」「幸せになる」「人生を変える」と言うような質問とは何なのかというのを著者自身の体験談をもとにして51の質問を用意したものである。

第1章「ピンチを乗り切る10の質問」
人は誰しも「ピンチ」という時はある。そのピンチを抜け出すためにはどうしたらいいのかというビジネス書であればamazonで探してもゴロゴロと出てくる。そういった本でよく言われているのは、
「ピンチはチャンス」
ということであるが、現実として受け入れられる人はいるが、中にはそういった事実を受け入れられずにいる人もいる。本章では「人生最大のピンチとは?」「このピンチを違う点で見たらどうか?」という質問が用意されている。特に最初の最大のピンチは著者自身の体験談が交えられている。その体験談を見たら自分自身のピンチだというネガティブなものから考えが変わる、かもしれない。

第2章「心を軽くする10の質問」
「21世紀は心の世紀である」
もう何回言ったのだろうか。さすがに飽きてきた(笑)。
集団意識はある日本とはいえ、「困った時はお互いさま」という観念がなくなりつつあるというのも又特徴の一つとして挙げられる。そのことによって時分でしか切り開けない、もしくは解決できないと思いこんでしまい、心に大きな負荷を背負うこととなってしまう。
負担のかかってしまった心を軽くするにはどうしたらいいのかというのが本章である。自分の人生の「棚卸」という質問もあれば、「息抜き」「感謝」などの質問がここで挙げられている。

第3章「人生に変化を起こす10の質問」
人生において絶望感を感じたり、停滞感を感じるときは必ずある。私もそういったことは少なからずある。ではそこから脱出するためにはどうしたらいいのだろうか。そうさせている原因は何なのだろうか。幸せな人生はどのようなものだろうか。本章ではこのようなことを教えてくれる。

第4章「ライフワークを見つける10の質問」
ライフワークと言うと働いて、遊んで、食べて、寝て…といったことの繰り返しになることが多い。しかしそれだけで良いのだろうか。新たにチャレンジをする、もしくはその中で新しいものを見つけ充実したものにするためにはどうしたらいいのだろうか。大好きなこと、夢、やりたいこと、目標と人はそれを目指しながら生きている。「ただ生きる」ということも又一つの目標であるとするならば目標の無い人生というものはこの世に存在しない。
その目標をどこまで設定するのかはあなた次第。本章ではその目標あり方を問い質す質問が目白押しである

第5章「最高の自分を生きる10の質問」
「どのような人生を送りたいか?」と言うのは誰しも持っている「問い」である。自分の中で「理想の人生」を追い求めるためどのような人生でありたいか、逆にどのような人生ではいけないのかということ、感謝、喜びに至るまで人生を考える質問が10個用意されている。

さて5章合わせると全部で50個の質問が出てきた。どれも人生や生きる上で大きな糧となるものばかりである。50個の質問を本書を携帯しながらでもよし、それをリストアップして歩きながら考えるということもよしである。たった一度だけの人生である。成功の人生を目指す、ピンチを抜け出すにはもってこいの一冊である。
…だがちょっと待ってもらいたい。確か本書のタイトルは「ピンチをチャンスに変える51の質問」であった。そう考えると質問があと1つ足りない。ちなみにその質問は本書の根幹となる質問であるが、それがどこに隠されているのか、少なくとも上記の章の中には入っていないということだけは言える。知りたい方はぜひ買ってみてはどうか。