株で本当に儲けるヤツは、 「業種別投資法」を知っている

洋泉社様より献本御礼
株式投資と言うと、私のような素人の考えでは「ギャンブル」や「投機」という言葉でしか浮かばなかった。しかし本書は株の儲け方の知っている人、すなわち本当に設ける人は業種別に戦略を立てながら投資を行っているという。本書はその株式投資法を余すところなく伝授したものである。

第1部「「業種別投資法」のツボ」
「業種別投資法」。株式会社が何百万社、その中でも上場企業もあるなか、業種・職種問わず株のヴァリエーションは多岐にわたる。本書で紹介している「業種別投資法」はその業種にある性格を見極め、効率的に分散をしながら投資を行う方法を言っている。多岐にわたるのだが後述で23のパターンに分けて紹介している。

第2部「「業種別投資法」を実践する」
ここでは私が特に注目した投資法についていくつか見て行こうと思う。

②「食品」
食品業界は人気商品が出ているとはいえ、全体的な観点で見るとそれほど変動のブレはないという。ただし、原材料が密接にかかわってくるため、異常気象などの原因による原材料の冒頭により株価が急変する場合がある。またヒット商品に目がくらみがちになるのだが、それ狙いで行くよりもむしろ戦略性を見て買うようにした方がいいという。

⑤「医薬品」
医薬品は新製品の出る頻度もあり、その中で新たな効果をもたらす医薬品も次々と出ている。ここでは食品業界と違い、最新の技術を持った医薬品があるというのを見極める力が必要だという。

⑬「精密」
プリンターなどの機械を造る業界である。代表的なものではCanonやEPSONが挙げられる。海外に目を向けてみるとHPが最大手であろう。製造は需要が減少すると株式のみならず業績も悪化するのだが、この精密業界は曲者である。曲者である大きな要因はプリンターを続けて使うためにはインクやトナーが必要となる。それらは会社ごとに違っており、利益はそこからも出ている。プリンターの需要がなくても安定した成長が担保されているというわけである。
しかしビジネスモデルが老朽化を始めていると著者は主張しており、どこが新しいビジネスモデルをうちたてられるのかにも注目である。

⑯「百貨店」
百貨店業界は軒並み減少の一途をたどっているが、その中で新しいものを生み出せる百貨店が作れるのかという好機でもあるという。簡単に言えば、百貨店の固定概念を覆すものを作ることができる時期ともいえる。そう考えると今が買い時と言えるのかもしれないが、このまま漸減する可能性もあるそうだ。

⑰「スーパー・コンビニ」
景気が良くなろうと悪くなろうと利用し続けるのがこれらである。売り場の変化も流動的であり、また開店・閉店も流動的である。目まぐるしいように思えるのだが、景気の動向にあまり左右されることもなく安定的である。特に本書で挙げられている主要企業はスーパー・コンビニと言っているが打っている範囲が多岐にわたっており、最近では銀行などにも裾を広げている。安定差がさらに磨きがかかっているといっても過言ではないのだが、業界の停滞感・閉塞感が噴出する可能性もある。

本書は投資術ということで、様々な業界の特性やそれに合わせた投資法について紹介をしている一冊であるが、投資目的ではなくても業界の性格や動向を見るという観点でも読むことができる。