1日15分でうまくいく「できる人」の時間活用術

私は以前「1日15分」とまではいかなかったが、「1日20分」を意識したことがあった。「1日20分」は私が高校時代からずっと意識していたことである。吹奏楽部だった時からであり、その時は演奏する曲を部分的に練習する「セクション練習」をどのようにして区切っていくのかというのを毎日決めていたのだが、私の中でこの時間と決めていた。それより短いと練習だとあまり得るものがなく、逆に長くなるとだれてしまうためである。その経験から様々なことに15分なりと時間を区切って勉強したり、練習することを行っている。

本書は「時間活用術」と銘打っているが、そのすべを教えるというよりも、「心構え」に特化した一冊である。

1章「人生は時間の使い方で決まる」
「時間」
これは見えそうで見えないもの、平等に与えられるものである。反面、気付かぬ内に失ったり奪われたりしている。気付かぬままに定年になり、本書で書かれている「稲刈りシンドローム」に苛まれてしまう。
「時間管理」はそうならないために、自らエルモのを得るための術である。

2章「時間は“今”しかない」
「今日やる」「明日やる」「いつかやる」
だんだんやりたいという熱意が失ってしまう。自分もそういったことに疎くなるときがあるので当てはまる。これも含めてそうだ。直さなければいけないと痛感している。

3章「目標を決めて時間を上手に使う」
では、時間を有効に使うためにはどうしたらいいのか、それは「目標」をたてることだという。しかしはき違えてしまうのは、抽象的な目標を立ててしまう。たとえば「プログラミングをマスターする」「ヴァイオリンをマスターする」というだけではいくら時間があっても足りない。具体的に言うと「Javaのプログラム資格を2ヶ月以内にとる」や「1ヶ月後、内輪で披露するためにヴァイオリンの練習をする」といった具体化をしてこそ、先の計画構築が容易になり、実現性も現実味を帯びてくる。

4章「目標を必ず実現させる15分成功法」
本書のタイトルとなる「1日15分」。使い方一つで2倍にも3倍にも増幅させる力を持つ。しかも毎日続けることによって積もりに積もった15分が膨大な時間となっていることに気付くだろう。

5章「15分で成功を導き出すテクニック」
これを導き出す、続けるのがなかなか難しい。継続力は数ある力のなかでももっとも捻出するのが難しい力であるからだ(ただし、個人差はある)。しかし大きな仕事でも、西川きよし師匠の言葉「小さなことからコツコツと」の如く、たった15分の勉強や習慣だけでも、何日も続けていけば大きくなる。また、「そのうち」という意識を捨て、「今から」の意識を持つこともまた大切であるという。

6章「時間のムダ使いに気付きなさい」
「時間」は放っておくとなくなってしまうものである。第1章で「見えそうで見えない」と書いていたが、何かしらの形で「見てみる」ことも必要である。その日の予定ややったことを自ら手帳やノートに「記録」をする。それだけでも時間は見えるようになる。

7章「時間泥棒をシャットアウトする」
一番厄介な敵は「時間泥棒」にある。それは相手のせいである要因もあれば、断れない「イエスマン」、もしくは要領や段取りを得ない自己責任とがある。その時間泥棒から断ち切るために本書では10の方法を用意している。あたりまえのように思えるのだが意外とできていない所があった。

時間管理にしてもまずは「心構え」から入っていかなければ、細々として術を身につけたとしても意味がない。本書はそのことを教えてくれる。