アエラ族の憂鬱

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アエラ族の憂鬱 アエラ族の憂鬱
桐山 秀樹

PHP研究所  2009-09-16
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「AERA」はバリバリに働くキャリアウーマン(バリキャリ)のためのオピニオン誌である。一部の人にはこの雑誌を「女尊男卑」というひともいるが。
本書は「戦後最長の好景気」とも呼ばれる時期に活躍した雑誌「AERA」の功罪について迫っている。

第一章「「超高級ホテル」から若い女性たちが消えた」
バブルだろうか、それとも一つのステータスだったのだろうか、若い女性の間で流行していたというのは私はあまり聞いたことがなかった。
バリキャリや仕事・家庭をものの見事に両立する女性、もっと言うと「女性があこがれる女性」の姿が「AERA」にあったのだろう。
理想が高すぎるせいなのか、晩婚化も進んでおり、「おひとりさま」と言う言葉も出始めている。時代の潮流がそう言っているのか、もしくは「AERA」がそうさせているのか、定かではないが。

第二章「男=女」
「男尊女卑」のなか虐げられたと、女性の権利を主張する方がしきりに言うが、実際に男性は権利はあれど、結果的に一番威張れるのは女性だと思っている。「尻に敷かれる」「カカア天下」と言う言葉もあるくらいだから。
ただいえるのは女性の価値観は
女性の価値観がここ数十年で、明らかな変貌を遂げたと言っても過言ではない。昔であれば「大和撫子」であったり、女性は家庭的と言うようなものに加え、今では社会的に活躍をする場が増えている。女性の地位向上はめざましいことであるが、はたして女性にとって、社会にとって有益なものかと言われると首を傾げる。

第三章「アエラ族は、不幸になる」
ほんの少し前から「婚活詐欺」と言うのが話題になり、逮捕されたある女性についてひっきりなしに報道されている。「婚活」と言う言葉は昨年からでてきているが、今となっては書籍でも、ドラマでも話題に上るほどであり、一時期「婚活ブーム」にまでなった。しかしこの「婚活」と言う言葉の意味と、現状の解釈を巡って「婚活時代」の著者と「AERA」とで違っており、「AERA」ではよりネガティブに捉えているという。

第四章「「アエラ族」に告ぐ」
それでも「アエラ族」は後を絶たない。「理想の女性」にあこがれそれにひた走る、男にも媚びず、孤高のバリキャリウーマンを貫こうというような人生に思える。その代表格が東京大学教授の上野千鶴子である。元々はフェミニズム論者であるが、一昨年に「おひとりさまの老後」がベストセラーになり、社会現象にまでなった。
しかし「おひとりさま」について、様々な論者の意見を交えながら著者は批判している。昨今では「孤独死」というものもあるので私も、それに関してはあまり快くないと考えている。

第五章「行き過ぎた「女尊男卑」の果てに」
「男女平等」や「女性のための」と謳っているが、裏を返してみたら徹底した「女尊男卑」ができていると著者は主張している。「「男尊女卑」のなか女性たちは虐げられたから、今度は私たちの番だ。」と言っているようなものである。ハンブラビ法典を変なところで出しているのである。
しかし、「AERA」は新たなバリキャリウーマンに目をつけていた。
そう、経済評論家で公認会計士の勝間和代である。
現在女性を中心に「カツマー」を目指す人が多く、それに関する批判本も出てきているほどである。

第六章「「アエラ族」の品格と孤独」
では「AERA」はどのような立ち位置になるとよいのか、これまで「バリキャリ」や「おひとりさま」など数々の女性の在り方について論じてきたわけであるが、ここで著者は「良妻賢母」を提案している。女性としてのキャリアを持ちながらも、良妻賢母としての母性でもって家庭を築いていくというような姿を理想としてほしいというのが著者の願いかもしれない。

第七章「「女」に生まれたことは本当に損か」
「男女格差」という言葉もある。しかし私は男性に無くて女性にある者もあると考える。韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」で医女チャングムが皇太后に治療を受けさせるためにある問いを出した。その答えは母であるが、経国大典にも定められているとおり徹底した「男尊女卑」であった時代において、女性の役割を見出させている。女性は男性と比較するべきではなく、むしろ「女性」であるからでこそできることもあるのではと考えさせられたところでもある。

「女性」は男性にないものはたくさんある。しかし悲しきかな「男女格差」で女性の待遇が測られ、女性の地位向上は時として価値はあるが、その一方で新たな「女女格差」というのもできている。「女性」の在り方はこれからも問われ続けるが、本書はそれを考える上での一つのヒントという位置付けに相応しい。

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