新聞・TVが消える日

LINEで送る
LinkedIn にシェア
[`evernote` not found]

新聞・TVが消える日 (集英社新書) 新聞・TVが消える日 (集英社新書)
猪熊 建夫

集英社  2009-02-17
売り上げランキング : 299629

Amazonで詳しく見る by G-Tools

新聞やTV業界の凋落が著しい。新聞でも発行部数の減少に歯止めがかからず、TV業界では在京キー局でさえも赤字に転落をする事態となった。それに対し、ネット業界はというと景気があまり良くないとはいえ、売り上げを伸ばしている企業がちらほら存在する。こうした中で「活字離れ」や「テレビ離れ」が著しいと叫ばれている。このまま新聞・TVはネットに飲み込まれてしまうのか、それともネットと共存した進化を遂げるのか。本書では現状とともにこれからについて書かれている。

第1章「テレビとネットは融合するか」
動画共有サイトが誕生した頃からか、無断で過去のTV番組をアップロードすることがあり、TV局をはじめとした権利者が削除を求めるなどの騒ぎとなった。無断の動画投稿は禁じるべきであるが、それ以前にTV局が今まで続いた体質の澱が一気に噴出したと言っても過言ではない。また音楽配信に関しても同じことがあり08年10月にJASRACとYouTubeが著作物の包括契約にこぎ着けた今でも違法な投稿は耐えることがない。音楽については第3章にて詳しく述べられている。
現在ではTV局単位で過去に見逃した放送を動画でみることができるサービスを始めた(第2日本テレビNHKオンデマンドなどが挙げられる)。しかしこれらのビジネスモデルはうまくいっておらず、軒並み赤字となっている。
TV番組をいつでもどこでも、というような「ユビキタス化」が熟し始め、これから放送業界は岐路に立たされている。その中で新しいビジネスモデルは生まれるのだろうか

第2章「「紙離れ」はどこまで進むか」
凋落の著しい業界はいくつもあるが、新聞もその一つに数えられている。朝刊をとる家でも一昔前まではほとんどの世帯がとっていたが最近では2件に1件とっているところも存在する。これはネットニュースの台頭、それによるジャーナリズムの多様化というのが挙げられており、既存の新聞媒体だけではもはや太刀打ちできなくなるところ間で及んでしまった。しかし新聞もネット業界に進出しており、本書では産経であるが、毎日では経済評論家・公認会計士の勝間和代氏とともに読者とのクロストークを行う企画を隔週の日曜日に実施している。
様々な形でネットとの共存を試みてきたが、「紙離れ」は後を絶たない。
新聞社も様々な形で「生き残り」の活路を見いだそうとしているが、「トカゲの尻尾切り」の如く紙からネット西府とをかけるのか、それとも紙媒体に引き戻すのか、新聞社に突きつけられた課題として挙げられている。

第3章「ネットになじむ音楽市場」
「音楽」と「ネット」の相性はなかなかに良く、とりわけインディーズでも活躍できる箇所が多い(最近ではメジャーでもネットに重きを置いているところも増えている)。ネットで音楽をダウンロードする以前はLPレコードやCDといった媒体でもって売るのがほとんどであったが、最近ではネットを媒介とした「有料ダウンロード」が主流になっている。CD売上が減少している理由がそこにある。また第1章で述べたように違法に動画や共有サイトにアップロードを行い、著作(権)者に対して損失になることも横行している現状がある。「取り締まる」といえば簡単であるのだが、日々進化を遂げていく中でどのように音楽市場を正しく広められるのかという課題もはらんでいる。

第4章「転機を迎えたゲーム産業」
かつてインターネットがなかったときにはファミコンなどのハードとソフトで楽しめたゲームであるが、インターネットの進化により「オンラインゲーム」が誕生し、オンラインゲーマーが急増した。今となっては長時間ネットゲーム、「ネトゲ廃人」まで誕生するようになった。もはや形ある媒体から、ネットという形の無い媒体(サーバがあるから一応形はあるが…これがなかなか見えない)にも裾を広げながらも、ゲームユーザーを増加させて行った。その一方でハードやソフトのゲームはというと、Wiiをはじめとしたハードは好調であるがソフトは元気がなく、ミリオンを達成したケースがなかなか出てこなくなった。CDと同じように形のあるものからないものへのシフトが始まりつつあるというのだろうか。

新聞やTV、音楽、ゲームに分けて現状を紹介されていたのだが、共通しているのは、
「形のあるもの」から「形のないもの」
にシフトしている所にある。そのような時代の中で形のあるものは、ないものに淘汰されてしまうのだろうか、それとも「形のないもの」にシフトをしながらも生き長らえるのだろうかというのが、これらに残された命題と言える。本書を読んでそのように思った。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク