遠藤ケイの田舎暮らしは愉快だ!

最近ではあまり出てこなくなったが「田舎暮らし」の良さやスローライフにまつわる情報番組がある。有名どころで言えば「ザ!鉄腕!DASH!!」の「DASH村」であろう。都会の喧騒のなかで疲れた体を癒しながら、自然と戯れ、本来の春夏秋冬を肌身で感じ、愉しむことができることが田舎暮らしの利点である。ちょっと前に書いた「シンプル族」についても田舎暮らしの雰囲気を作り出すことからちょっと似ているような気がする。本書は著者自身が新潟のとある田舎に住んで春夏秋冬それぞれ感じたことについて綴った一冊である。都会にいながら本書でありのままの自然を感じることができる。

ふと思ったのだが「春夏秋冬」を連想するとこれを思い浮かべるのは私だけだろうか。

「春」
雪解けが進み土筆が生え出したころ、ようやく春の訪れがやってきた。
「タラノメ」や「ゼンマイ」、「筍」といった山菜も旬を迎える。暖かさとともに新たな種をまく時でありながら、桜や土筆

「夏」
夏は動物が最も喜ぶ時期と言える。とりわけカエルや魚、イナゴといった動物の活動は夏が中心である。梅雨の時期、それを過ぎても夕立のある時期だからでこそカエルや魚も生き生きとする。暑い時期であるが

「秋」
「実りの秋」と言われるがまさにその通りと言ってよい。新潟であるため、米をはじめ蕎麦の花や銀杏、サツマイモ、マツタケといったものも取ることができるという。
秋に見る動物もおり、トンボ(オニヤンマ)も代表格として挙げられる。実りも虫も愉しめる一方で寒さも次第にやってくるので、良くも悪くも…という感じである。

「冬」
新潟の冬は厳しい。冬の寒さもさることながら雪の多さも印象的である。その中で日課となるのが雪かきである(私の郷である北海道では「雪はね」と呼ぶ所もある)。厳しい冬を乗り切るために様々な工夫を凝らしている。自然との調和から「薪ストーブ」と言うのも紹介されているが、原油高の高騰により飛ぶように売れた時期があった。ちなみに私の実家にも薪ストーブはある(旭川は非常に寒く、石油ストーブでも暖かさを賄えない時はもっぱら使っている)。

都会の人が憧れる田舎暮らしであるが、不便なところは多い。しかしその不便も慣れてしまえば、自然暮らしもストレス解消の一環にもなれば、自然との共有から生きていく活力がわいてくる。「住めば都」という言葉にもあるように。