残業ゼロ! 時間と場所に縛られない クラウド仕事術

明日香出版社様より献本御礼。
もはや「クラウド」と「仕事」、「生活」は切っても切れない存在にまでなった。それと同時に仕事や社会のスピードも飛躍的に早くなっていることは確かである。本書はその「クラウド」をいかにして仕事の場で用いていけば良いのか、実際に機能やツールなども交えて紹介をしている。

第1章「クラウド仕事術とは?」
「クラウド化」というのは既存の「クラウド」、たとえばインターネットなどを利用することによって仕事の変化に応じることができ、時代の波に乗りながら常に先のことを見据えることができる余裕がつくれる。
またインターネットが自分の仕事馬となるので、固定した机で仕事をすることがなくなる。早い話がインターネットやツールを用いるもの(パソコンなど)があれば喫茶店の中でも仕事をすることができる。

第2章「縛られず身軽に動く技術」
「縛られず」とあるが、今まで何が縛られていたのかというと、

・「何時から何時まで会社にいること」という時間的束縛
・「自分の席でしか仕事ができない」という場所的束縛
・「この資料がないと仕事ができない」という物的束縛

が挙げられる。それをいかにして束縛をはずせばいいのかについて、格好なものに「クラウド」がある。
「時間的束縛」については仕事を行っていく上で致し方亡いことであるが、時計やスケジュール管理ではITツールで一元管理をおこなうことができる。
「場所的束縛」についてはノートパソコンとインターネットを使える環境がどこでも仕事のできるフリーアドレスの環境にする事を提唱している。すでに行っている企業もあるのだが、悲しきかな管理が行き届かないという理由で見送っている企業も多い。
「物的束縛」はpdfや管理ソフトで電子化をすることによってよけいな紙を持つことを避けることができる。しかし、「セキュリティ」という言葉がまかり通っているせいか、行えない人も多い。「セキュリティ」は確かに大切なことであるが、その言葉を盾にした旧態依存を主張する人もいることは忘れてはならない。

第3章「仕事の「道具」を選ぶ技術」
パソコンは日々進化を遂げているが、高速環境に的左内パソコンの中で仕事をするのは、時間の無駄である、自分も人のことは言えず、3年前のパソコンをいつまでも使い続け、タイムロスをしている身である。それを反省し、新たなパソコンを購入した。お金はかかったものの、満足行く選択である。
私事はここまでにしておいて、高速環境のパソコンを使用するばかりではなく、携帯電話の機能をフル活用をする事もあれば、数少ない文具の選び方についても紹介している。

第4章「仕事の「場所」を選ぶ技術」
しごとをするためにも場所を選ぶことによって仕事の効率を上げたり、商談では自分も相手も落ち着いた雰囲気の中で行うこともできる。空間の大切さについて非常に共感できる。

第5章「ITツールを自在に操る技術」
「ITツール」を使いこなすとはいっても、全く新しいソフトを導入することばかりではない。既存のプロパティを変更したり、ショートカットキーを設定することによって仕事を何倍も早くすることが可能である。またフォルダの整理についても取り上げられている。

第6章「時間効率を3倍+αにする技術」
時間をいかにして使うべきかについては様々であり、デッドラインを設けたり、区切ったりするなど様々である。ビジネス所においても「時間術」というのは山ほどある。保証では、あくまでITツールを使用して、一元管理を行うことについて書かれている。とりわけメーラーでタスク管理をしたり、アイデアを記録する場所になるなどは印象的であった。

第7章「相手を動かすコミュニケーションの技術」
コミュニケーションをするにも、メールや会話など様々である。予定についてはスケジュールで管理をしたり、議論の内容については録音をして電子ファイル化するのも一つの手段である。
またIT化ではまかないきれないコミュニケーションもロジカルかつ例え話などユーモアやウィット感に富んだものがいいとしている。

第8章「昔ながらの会議を次世代化する技術」
おそらく「会議」は段取り、時間管理、コミュニケーションなど様々な力を結集しなければ質が上がらないものはない。それだけに会議の時間をいかにして実りのものにしていけばいいのかは非常に難しく、かつチームワークにも関わってくるものである。
本章では会議を行うにはどうしたら良いのかについてむしろITツールの紹介というよりも要領についてが詰まっている。

第9章「スベらないプロマネの技術」
目的、実績を管理するばかりではなく、Messengerを使うことによってコミュニケーションしながら作業を確認することについて紹介している。

最後に本書を出すきっかけ、むしろ最低限のものでいいと認識させられた事柄として「阪神・淡路大震災」を挙げている。家族は無事であったが自宅は全壊し持っているもののほとんどを失ってしまった。失ってしまうことによって得られるものや教訓がある。もし「阪神・淡路大震災」が起こっていなければ本書が生まれなかったと言えることを考えると、きっかけはいたる所にあるということを認識させられた一冊とも言える。