33歳からの時間のルール

明日香出版社様より献本御礼
もはや時間術については数多くの本があり、いわば「レッド・オーシャン」と呼ばれるような存在である。では本書はどうなのかというと「33歳から」というくくりと「時間術」というくくりではある種の斬新な感じはある。

本書の著者はもっとも33歳の時に寝食を忘れ、充実をした時期であったため、本書を出版したという。

ちなみに私は現在24歳である。33歳になるまであと8年もの歳月はある。本書を読む対象年齢ではないのではないかと思いもするが、自らもし33歳になったときどのようにして時間を使えばよいのか、シミュレーションができるとともに、「実際に33歳になるまでの練習」として実践をする価値はある。

第1章「「人生」と時間のルール」
人間は1日24時間誰でも平等に与えられている。それを自由に増やすこともできなければ、減らすこともできない。
33歳の時、自らはどのように生きたらよいのか迷い続ける日々であるのだが、仕事のみならず勉強にしても、遊びにしても見聞を広めていく時期であるという。
では20代はというと「仕事をがむしゃらに覚える時期」であり、職業人としてひたすら仕事に打ち込む時期と言っている。

第2章「「習慣」と時間のルール」
時間をいかにして使うのかは人それぞれであり、かつ永遠の課題といえる。
細切れ時間を使ったり、早起きにシフトをしたり、2つや3つ同時に仕事を行ったりなど方法は様々である。

第3章「「仕事」と時間のルール」
仕事は量と質ではかられるのだが、それと同時に完成についてもスピードと正確さが求められる。どちらも相対することばであるが、そのバランスをとるか、あるいは一極端にするのかというのもある。
本章ではいかに「早く」仕事を進めていけばいいのかを機軸にしている。
とりわけ印象的だったのが会議に置いて「議事速報」を出すことや「飲み会時間短縮術」がある。職業上会議の多い私にとって大きな実践価値を生んでくれるところである。

第4章「「上司・部下」と時間のルール」
ここでは、時間術というよりもタイミングや上司と部下の関係のあり方が中心である。

第5章「「顧客・商売」と時間のルール」
商談をする人にとっては格好の材料となるところである。なんといってもお客様と自分との時間調整や交渉といったところは自らの都合を列挙し、提案をするということを薦めている。ほかにもプレゼンや接待の薦めについても書かれている。

第6章「「自己投資」と時間のルール」
「死ぬまで勉強です」
これは落語の世界で八代目桂文楽や六代目三遊亭円生が常々語っていたことである。これは芸道の世界に限らずビジネス、ひいては人生においてもきわめて重要な言葉と言える。
20代の頃から仕事やそれに限らず人生のことについていろいろなことを覚えていく。「継続は力なり」という言葉もあるように自分を磨き続けることで、最初は小さくても、数年たっていくと大きな力となって返ってくる。
自分を鍛えるにも様々な種類がある。読書をする、映画を観るなどが挙げられる。

第7章「「目標達成」と時間のルール」
目標達成のために強制力を働かせることも一つの手段と言える。例えば自らこの目標を達成する宣言をすること、やらなければ損をするような仕組みをつくる。時間割や予定を作り自ら行動に移さざるを得ない状況をつくることで目標達成をすることを紹介している。

第8章「「お金」と時間のルール」
自らの仕事を時給で割り出すことは様々な本で紹介されているが、そのほかにも会社に頼らない「副業」についても紹介している。副業禁止としている企業は少なくないが、昨今の経済状況により、副業を許す企業もでてきた。ましてや不況の時代ほど起業をする人が多く、会社員でありながら、週末の時間を使って新しい事業を興す人もいる(「週末起業」という)。
ほかにも株式投資や不動産投資を行うと言った「不労所得」を持つことについても挙げている。お金に働いてもらうという感覚である。

第9章「「大切な人」と時間のルール」
恋人や両親、家族に限らず、様々な人との摩擦によって人は成長する。人間はそのような動物である。人との交流のためにはどのように時間をいたらよいのか、だけではなく、日本のため、地球のため・・・とスケールが大きくなっている。

「時間管理」はなかなか難しい。どのように実行を移せばよいのかについても人それぞれであり、解決方法も様々である。本書はあくまで33歳からという縛りにしたタイトルであるが、20代である私にとっても「議事速報」など参考になるものがある。