一流の人は空気を読まない

日本人は「空気を読む」民族と言える。人と人とのコミュニティ、さらには法律に無い集団での「暗黙の了解」や「掟」など独特なものがある。しかしその「空気」を読み続けていても、相手との関係は安定するが成長はしない。自ら成長する、成り上がる為には空気を読んではいけないと主張している。本書は空気を読まず、自ら成長をする重要性を説いている。

第一章「職場を縛る「空気」を読むな」
「空気」は簡単に言うとその場の「雰囲気」のことをいう。「空気を読む」はその雰囲気に順応することを意味する。しかしこの「空気」が非常に厄介で、空気が重い時は自らの気も重くしてしまう。それがとりわけ協調性ならぬ「同調性」を過度に尊重する会社で起こっている。
「空気を読む」ということをもう一つの言葉で言うと「迎合する」と言うのがある。これは大衆マスコミやコメンテーターを名指しして言われるため、あまり使われていないのではないかと思う。

第二章「空気を読んでいるだけでは生きていけない時代」
しかし「空気を読み」続けてばっかりでは、進化し続けている対外諸国との経済競争から放り出されてしまう。ましてや会社の枠を超えた専門家である人物がかなり限られてしまっている。
日本人は組織力、あるいはチーム力によって最高の技術を創出することができたのだが、バブル崩壊以後、明日働く保証が無くなってしまい、関係がぎすぎすし始めた。その空気を打破しなくてはならないのに、それを行う人に対して「空気を読め」と冷やかされる。結局悪い空気がはびこる。
成長をするためには空気を読むよりも新しいことをやれと言っている。

第三章「社会で生き残るための「自分の磨き方」」
競争の激しい社会でどのように自分を磨いていけばいいのか。能力重視から社会に対する貢献を意識することだという。著者の会社の新人教育でもそれを念頭にしたプログラムが組まれている。
そしてもう一つは疑問を持ったこと、気づいたこと、知ったことに対して「行動」をする事にある。著者は高校生時代、受験勉強に関して疑問を持ちなんと、大学教授に質問を行ったという。驚きとともに、行動の重要性を気づくことができる章である。

第四章「チャレンジから掴みとる成功」
とにもかくにもチャレンジをすることが大切である。あたりまえではないか、と言われるかもしれないが、様々なところでチャレンジをする人は少ない。
そしてもう一つ、一度挫折をしたり、大きな病に見回れたり、前科をもったりしている人には冷たい社会である。そういう人たちのために「再チャレンジ」ができる環境を持つことが大切である。確かこれは約30年前に、当時自民党の議員だった浜田幸一氏が主張していたのだが、30年を時を経ても変わっていない。

第五章「「同じであること」をやめる!」
「みんなちがってみんないい」
小学校の時この言葉は誰でも聞いたことがあるだろう。しかし「同じである」ことを暗に重視されてしまっている。一つ新しいことを行う、もしくは突飛な発想、突飛な行動をする人を排斥するような風潮が蔓延っている。それを避けようと考えや行動が違っても同じ様な行動になってしまう。しかし同じ様な行動をするばかりでは、成長は望めない。むしろ人と違う行動をすることによって、良くも悪くも新たな発見があるのではないか。

「KY」と言われる世の中、本当に大事な「自己成長」「自己主張」を失ってしまっている、あるいは間違った方向に向かっているのではないかと思う。自分自身にとって背町をするためには「空気を読む」よりも、「空気を打破する」力が必要なのではないか。