夫婦で年収600万円をめざす! 二人で時代を生き抜くお金管理術

著者の花輪様より献本御礼。
著者の花輪氏とは今年の2月に行われたビジスタでお会いし、講演を拝聴した。そのときに聞いたのが本書の内容であった。

最近サラリーマンの平均給与が右肩下がりであり、晩婚化もしている。さらには少子化も進んでいる。

これらの事柄には大きなつながりとして「お金がないから、結婚できない、出産できないという結論に至ってしまう。本書は夫婦で年収600万円稼ぐ、ダブル・インカムのイロハについて語っている。

Chapter1「結婚すると「お金」が楽になる」
結婚の高齢化が進んでおり、私たちの世代でも「結婚願望」がない人が急増している。「結婚」よりも「労働」「自由」を渇望している。
ましてや結婚をするとなると費用の面で苦労をしてしまうという考えがある。
しかし著者は「結婚」をするからでこそ費用をカットすることができる。住居にしても2人で住める、水道光熱費も2人分の費用ですむ。

Chapter2「夫婦二人で世の中を生き抜く力をつける」
もし当ブログを閲覧している人が既婚者であれば、「妻」・「夫」はどのように思っているのだろうか。著者は夫婦は「戦友」と位置づけ、二人そろって年収600万を目指す。さらに費用もカットする。次以降の章にもある貯金や住居、保険も共に決める。

Chapter3「二人で年収600万円で豊かに暮らす」
ではなぜ「年収600万円」と位置づけているのか、これについて本章で明らかにしている。ここでは都内、首都圏在住で結婚しているケースを紹介しており、賃貸では家賃、一軒家では住宅ローンの支出もあり、様々な費用がかさんでいく中、貯蓄も行える為の額である。

Chapter4「二人の支出ダイエット戦略」
「節約」という言葉がもはや当たり前となっているほどであるが、費用を押さえるためにはまず今ある「支出」を把握することである。著者は結婚当初、夫婦で1000万円単位ある年収でありながらも、後先考えずに浪費してしまい、貯蓄もなかったという。しかしリーマン・ショックで夫婦そろって失業してしまい、年収は激減。このとき初めて「支出」について見直したという。
「費用を節約」をするというと水道光熱費や食費に目が行きがちであるが、それ以上に住居費や保険料、クレジットカードなどの年会費(または会員維持費)などの固定費、いわゆる「サンクコスト」をいかに減らすかが、根幹の「節約」といえる

Chapter5「二人の貯金戦略」
「貯金」をするというとひたすら銀行や郵便局の口座に預ける、もしくは「たんす預金」をするという手段を思いついてしまう。
しかし貯金も戦略によって銀行の口座だけではなく、投資を行うことによってさらに貯金を増やすことができる。もう少しいうと、「貯めたお金を働かせて、さらに稼ぐ」方法である。
ここでは貯金よりも投資信託などお金を殖やす為の戦略が目白押しである。

Chapter6「二人の住居&車戦略」
サンクコストとなりやすいものの中で大きい費用が住居と車である。マイホームを購入するにも、車を購入するにも、考えるべきことは数多くあり、ローンや車であれば税金や維持費などが挙げられる。一世一代の決断こそ多くの情報を手に入れ、夫婦共に相談を重ねることによって「負けない」買い物にしていくことが大切であるという。

Chapter7「二人の保険戦略」
「備えあれば憂いなし」の代表格として「保険」がある、しかし、保険ほど大きなギャンブルはない。例えば火災保険であれば火災が起こる可能性は低いというのがある。
しかし「保険」と加入していなければ大きく損をしてしまうことにもなりかねない。保険を加入するにも様々な情報を集め、現状にあった保険を探すのが順当といえよう。

Chapter8「子どもの教育費&老後資金積み立て戦略」
子どもの養育費や老後資金の積み立ては、なかなか難しい。一戸建ての場合は住宅ローンを組んでいるときローンの返済もかねているので、資金面でタイトなものになる。
オール公立でも、お受験の道でも、子ども為にいくら使うか、どのように使うかというのも大きな鍵となる。

著者はリーマン・ショックを機にお金の苦労が多かった。その一方でそれがあったからでこそ「ダブル・インカム」の考えができたというのがある。
かつて「夫婦」は「夫は仕事、妻は家庭」という固定概念があった。バブル以後その考えは薄れ、夫婦共働きの時代が到来した。しかし子どもの養育、さらに費用の工面など夫婦ともに相談しない家庭が、後に金銭面で離婚となったり、裁判で争ったりする悲しい現実もある。せっかく結ばれた夫婦だからでこそお金の苦労を乗り越える。そのことによって夫婦の中はさらによくなっていく、夫婦共働きが増える中、このようなケースが増えていけば、日本はもっと明るくなるのではないかと私は思う。