勉強革命!「音読」と「なぜ」と「納得」が勉強力とビジネス力をアップさせる

著者の上田様より献本御礼。
昨年の7月に「「耳」勉強法」というのが出版されたが、今回はそれに加えて「なぜ」と「納得」を加え、三本柱でもって「勉強」のあり方について紹介している。著者は中学・高校と落ちこぼれ時代の中で音読勉強法を編み出し偏差値30の状態から東大に合格を果たしている。

第1章「落ちこぼれ中高時代の勉強革命」
著者は小学校の頃に、まるでニンジンをぶら下げられた馬のような勉強法で、中学受験に合格した。しかしそれも長続きせず、中学・高校と落ちこぼれだったという。その中で著者は「勉強をする目的」を、「なぜ」や「納得」で模索したという。
著者は中高一貫の進学校にいながらも落ちこぼれだったという。確かそれと同じ境遇たったのが、現在精神科医で、数多くの著書、さらにはTVにも引っ張りだこの和田秀樹氏である。彼は関西では知らない人はいないほど有名な中高一貫校に在籍しながら、落ちこぼれだった。落ちこぼれの中で開発した勉強法が「解法暗記」である。現在はその勉強法の本も多数あり、受験指導ゼミナールの観衆も行っている。

第2章「偏差値30からの勉強革命」
著者は偏差値30から東大に合格を果たした。本章ではそこで使った勉強法を紹介している。5科目すべて紹介しているが、特に国語が中心である。この2科目に共通するもの、それは「音読」にある。国語は現代文や古典の読解はもちろんのこと、数学や社会、理科、英語にいたるまでの問題文を「読む」ため、どの教科にも通じると言える。音読を繰り返していくことによって読解力や感覚が身につき、試験時の黙読でも楽に読み・書き・解きができる。
本章を読んでいると自分の受験勉強のことを思い出す。
私は商業高校出身で、普通科よりも受験勉強に関しては不利な立場だった。高校2年の夏の模試で、偏差値が40あるかないかだった。大学進学を志したのもこのときで、学力的に不利だった私は第1章で紹介した和田式の勉強法で勉強をしたのも今でもはっきりと覚えている。授業中の合間を縫ったり、部活でも合間を縫いながら勉強を進めていった。約1年半の勉強期間であったが志望していた大学に合格することができた。

第3章「学生・社会人の勉強革命」
大学では「研究」や「論文」と言ったことはあるのだが、社会人となると「勉強する」意識が薄れてしまう。というのは目先の仕事に追われてしまい、疎かになってしまう。しかし社会人だからでこそ、勉強が大切である。
大学での定期試験やゼミも「音読」を行う、社会人では「なぜ?」を使い勉強する「理由」を求め、その中で勉強を行うということを説いている。

第4章「自ら行動を起こす勉強革命」
勉強をするにも、ビジネスを興すにも、行動をするにも「志」が大きな根幹を担う。ビジネス書の中でも「志」を大切にすることの重要性を謳う本もいくつかある。その志を為すためのプロセスとして目標に落とし込む。その目標に向けて何をするのかと、さらにプロセスを細分化する。
そして志を為すために主張をする力、議論をする力を鍛え上げる一方、外の世界を見つめながら、様々な方法を探ると言うところも主張している。
「行動」をする「実践」をする、その根幹に「志」を持つことが肝となる。

第5章「ビジネスのための勉強革命」
ここでは勉強法と言うよりも著者がなぜ「オトバンク」と設立させたのかという経緯、日本最大のオーディオブックサイト「Febe」をつくった理由、思いが綴られている。

「勉強は目的をもって行うべき」と言うことは様々な勉強本で言われているが、自らの「志」を持つことはあまり言われない。本書はそのことを学ぶことができるのと同時に、オトバンク、そして「Febe」への思いがひしひしと伝わる一冊である。