キミが働く理由

戦後からバブル経済まではタイトルのことについて考える人はほとんどいなかった。しかしバブルが崩壊し、終身雇用神話も崩れ、明日にも会社や仕事が無くなってしまうような時代である。「生活のため」という人もいるだろう。「失われた10年」を経ても、働いても生活費がままならない、すなわち「ワーキング・プア」に苛まれている人もいると考えると、その考えは仕方がない。

しかし「働く」というのは本当に「生活」しか考えられなかったら、奴隷になってでも稼げるのであれば満足できるのだろうか、もしくはあなたが突如10億円が手元には言った場合、働かなくても良いと思うだろうか。

私は一攫千金の富を得たとしても、仕事を引退するつもりはない。なぜならシステムエンジニアの仕事でも、書評家としての仕事でも、自ら楽しみとして仕事をしているからである。
著者は現在様々な人のメンターとして、さらには企業コンサルタントとして、そしてコンサルタント育成者として今日も東奔西走の日々を送っている。日本を元気にするために、そして自分も相手にもワクワクさせるように。

そんな著者も大学を卒業したときは、「働く意味」は全くわからなかった。最初に就職したところもわずか1ヶ月も経たないうちに辞めてしまった。それから様々な事業に挑戦をし、失敗を重ね、現在はコンサルタントとして活躍をしている。

さて、本書であるが、働くことについて珠玉のメッセージが25個詰まっている。その言葉一つ一つに説明があり、エピソードがあることで、メッセージにさらなる重みができる。エピソードがふんだんに盛り込まれているせいか、読んでいくうちメッセージ一つ一つが私の脳天を突き抜けるかのような錯覚に陥るほど衝撃的であった。

本書を読むと「日本一のメンター」と呼ばれている理由がよくわかり、かつ働く活力をこれでもかというほど与えてくれる一冊である。