絵解き 世界一ホッとする尼さんのいい話

仏教に限らず、様々な宗教で「法話」と言うのがある。主に人生とはいったい何なのか、悩んでいるとき、立ち止まってるときの特効薬としていろいろと役立つ機会が多い。しかしいざ仏教の法話をみてみようとすると取っつきにくいものもある。

そこで本書である。本書はアナウンサーでありながら尼僧という移植の経歴をもつ川村妙慶氏の法話に絵がちりばめられている。きわめて分かりやすく、かつ自らの心に入っていけるような仕上がりとなっている。

<漢字で感じる法話>
漢字には成り立ちによって意味合いが変わってくる。
たとえば「忙」という漢字は「心を亡くす」
「固」は古いもの(こと)を箱に固める
というように、自らの心に手を当てて考えるような話ばかりである。

<迷ったときの法話>
人生は長い、その中で幾度となく「迷い」というのが生じる動物である。ほかにもイライラが募ったり、時には死んでしまいたいような感情に陥ることだってある。
そのようなときに助けとなる言葉が詰まっている。前章と同じく、様々な漢字を駆使している。

<私の心を読み説く法話>
「心を読み説く」とはいったいどのようなものか。心に現れる感情を漢字に直してみるとすぐわかる。
とりわけ「感謝」、「喜怒哀楽」、「目標」など、形の表れないもの、自分で意識できないことなどを読み説いている。

<もっと簡単な法話>
「法話」と一括りにしても簡単なものから、難しいものまである。
自らの感情、先祖への供養など、時、お経などについての法話を紹介している。

「法話」というと取っつきにくい印象があるが、絵もあって分かりやすく、さらにその絵も相まって暖かみが増幅しているような気がした。