世界における人間

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世界における人間 (グルントヴィ哲学・教育・学会論集) 世界における人間 (グルントヴィ哲学・教育・学会論集)
N.F.S. グルントヴィ Nikolaj Frederik Severin Grundtvig

風媒社  2010-07
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「人間とは何か?」

この論題は哲学という学問が存在し始めた時代、約2500年以上も前から問われ続けており、多くの哲学者がそれぞれの証明によって定義づけられてきた。それだけではなく、哲学から派生した科学や生物学、さらには「脳」やスピリチュアルといった角度からも定義づけられるようになった。しかし共通する答えは定まっておらず、結局のところ「人間とは何か?」ということへの明確な答えはない。
本書は時間、条件、関係、詩情にいたるところから「人間」について考察を行っている。

第一章「時空における人間」
「時空」というと大それたもののように思えるが、ここでは「時間」「空間」「創造」言ったところから「人間」をみている。

第二章「人間の条件」
人間そのものと言うよりもむしろ、人間のことについて読みとく「哲学」についての条件、そして人間本来ある「ユーモア」の条件が中心であった。

第三章「人間の身体的条件」
身体はどちらかというと「哲学」というよりも「生物学」といった形あるところの学問に関わる。では「哲学」は人間のどこの部分に関わるか。「人間」そのものに関わる中で特に、「精神」や「心」といったところに関わる。
しかし「身体」と「精神」は論考において分離することはよくあるが、私たちの活動の中では自らの意思でもって身体を動かしている。そのことから「身体的条件」がついたのではないかと考えられる。

第四章「人間の精神的条件」
人間の根幹に関わるのが「精神」や「魂」など、どちらかというと内なる部分にある。
しかし人間にも他の動物にも、大小の違いはあれども「精神」や「魂」といったものは存在する。そうであるとした場合人間にしかない「精神的条件」とはいったい何なのだろうか。

第五章「人間の自己自身にたいする関係」
本章ではどちらかというと「哲学」よりも「宗教」の分野に関わる。というのは人間の良心や精神、そして人種の違いによるもので新約聖書を引用している箇所があるためである。

第六章「詩情、学問、歴史」
学問や歴史は、哲学や人間そのものの歴史や学問に限らず、「歴史」「学問」それぞれの概念について考察を行っている。
本章の中でひときわ目立ったのは「詩情」である。「詩情」という言葉をとある時点で開いてみると(「goo辞書」より)、

1 詩にみられるような趣。詩的な情景。「―あふれる夏の高原」
2 詩に表現されている気分。詩のおもしろみ。「―を解する」
3 詩を作りたくなるような気持ち。「―をそそる」

となる。「詩」というとある種の感情と言われるのだが、動物の持っている「感情」とは違い独特の言葉でもって表されている所を見ると人間にしか持っていないとも言える。

本書は人間について身体や精神などに分割しながら、読み解いた一冊であるが、他に「人間とは何か」について読み解いた本の中で、とりわけ際だったものがなかったように思えた。

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