速読しないで1冊読める! 10分間リーディング

書評仲間である鹿田氏であるが、昨年の11月に「大事なことは すべて記録しなさい」という本が上梓された。その本はとにかくブログなどから得た「記録」について、が中心であったが、本書はもう一つのホームグラウンドといえる「読書」について紹介している。

よほど速読の力を身につけないと10分読めない、10分だと読んだことにならないのでは、と考える人も多いことだろう。しかし「読書」に対する考え方をシフトすると、いとも簡単に10分で読めるのである。しかし「速読」はしない。これが大きな鍵である。

Part1「10分間リーディング 速読せずに速く読める「本の読み方」」
かつて著者もそうだったが、私も読書は一字一句読まなければならないものだと思い込んでいた。しかし読書のスタイルは人それぞれで、一字一句読まなければならない人もいれば、鹿田氏のように「探す」という考えもある。
私もその考え方に似ている。小さい頃からそこそこ読書はしていたが、本格的に読書好きになったのは大学3年生の冬、ちょうど就職活動の時期だった。Mixiの自己紹介でも書いたのだが、小樽から札幌まで行く電車の中で何もすることが無くて、読書をしてみようと思い立った。ただ一字一句読むだけでは味気ないので、かいつまんで読むようになった。そこからブログなどに派生していった事は、当ブログでも何度か書いた。

Part2「10分間レコーディング 速く読んでも忘れない「記録のルール」」
鹿田氏の勉強会も参加しただけではなく、勉強会やパーティーなどで鹿田氏とお会いする機会がある。その中で触れられていたのが「読書ノート」である。感銘した所を抜粋したり、感想を書いた物をはがき、もしくはファイリングをする事によって自分だけの読書記録を作る。そこから何を実践していくか、ブログで何を書いていこうかと言うのを、あたかも引き出しの様にできる。

Part3「ノマドリーディング いつでも、どこでも、読書しやすい環境を手に入れる」
「ノマド」は仕事においても最近言われ始めたことであるが、ここでは読書のアウトプット・インプットとしての「ノマド」について紹介している。
本書の中では「iPhone」を読書記録として使っている事を紹介しているが、確か鹿田氏のブログで原稿執筆のためにポメラを使っていると言うのを聞いたことがあるのだが、もしかしてiPhoneは読書様に、ポメラは原稿執筆用に分けたのかと勘ぐってしまう。

Part4「ワンランク上を目指すReading3.0 学んだことを、発信する「知的生産のルール」」
読書はinput・outputによって成り立つのだが、そこからさらに読書を広げる所で「Reading3.0」を取り上げている。何をやるのかというと「読書会」である。私も今年の1月から本格的に読書会に参加し始めた。それから約10数回の読書会に参加をしたのだが、一人でやる読書&書評とはひときわ違った体験や学びがあった。読書を介して人の輪、そして学びの輪ができることによって読書の醍醐味がさらに深くなる。

「読書」を一括りにしても単に「黙読」をするだけではない。読書から「書評」へ、読書から「読書会」を介して、学びの輪を作る。「読書」は様々な可能性を秘めている。