「お墓」の誕生―死者祭祀の民俗誌

今年の初めから「墓マイラー」と言う言葉が誕生し、様々なお墓案内の本が出版された。とりわけ有名人のお墓巡り、あるいはユニークなお墓巡りに関する物が多かったように思える。

このブームに関して少し疑問になった所がある。それは数年前に「千の風になって」という曲が大ヒットし、それとともに供養のスタイルもどんどん多様化していき、墓石業者も頭を悩ませたほどであったという。

さて、本書の話である。本書は「お墓」にまつわる歴史、そして死者祭祀、様々な死者の墓について紹介されている。儀礼や祭祀と言った所では「民俗学」の範疇に入るが、「民俗学」の特性上、私たちには見慣れない「死者」にまつわる儀礼がいくつか掲載されているため、非常に興味深い。

もし願わくば、本書を読むのはこの時期よりも春・秋のお彼岸、またはお盆の時に読むと良いだろう。