池袋チャイナタウン

「チャイナタウン」というと横浜の石川町を連想させる。そこには「横浜中華街」があり、中国人も数多くいる場所でも知られている。

しかし「チャイナタウン」は他にもあり、石川町以上に大規模な場所があった。

その場所は「池袋」である。あまり馴染みの薄いような印象を受けるが、昔から中国人の多かった石川町と比べ、池袋は最近急成長してきた「チャイナタウン」である。本書では「新華僑」と表記されている。具体的には池袋駅北口から程なく歩いた所に中国人が駅前で携帯電話をもって中国語で話す姿が点在するという。しかしこれは都市部の駅であればどこにでもある光景だが、それが夜になると中国系の店や中国人であふれる。

しかし弊害もある。元々そこで商売をしている商店街や町内会では中国人、とりわけ「新華僑」の人たちのマナーの悪さに頭を悩ませている。何度も苦情を言っているのだがその人たちは意に介さない態度をしている。また日本人特有の横の連携も希薄であり、横浜中華街にあるような「協会(横浜中華街発展会)」の組織もそれほど存在せず、またあったとしてもなかなか発展しないのが現状としてある。

この弊害を消すためには、著者は「対話」の重要性を強調している物の、現実として日本と中国、さらには中国人同士のコミュニケーションがとれるかどうかと言うのも大きな課題としてある。