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2011年1月

辛い飴―永見緋太郎の事件簿

「辛い飴」というと昔にハッカの飴をなめたことを思い出す。飴玉の缶には必ずと言っても良いほど入っていた。あまりにも辛くて小さい頃はあまり食べられなかった。今となっては食べられるのだが、ハッカの飴自体あまり見かけなくなった。時代は変わったものだとつくづく思ってしまう。 私事はさておき、本書は「永見緋太郎の事件簿」シリーズの第二弾の作品である。題目としては本書のタイトルにもなっている「辛い飴」を始め、「 […]

寿命論―細胞から「生命」を考える

人間にも例外がないように、動物・植物などありとあらゆる「生きる」ものには「寿命」が存在する。しかし生物によってはわずか数秒で寿命を迎えたり、あるいは「鶴は千年、亀は万年」という言葉の如く長生きする。 本書は「細胞」という観点から寿命のメカニズムに迫った一冊である。同時に神話における人物の寿命についても述べられており、旧約聖書における人物の中では900歳台まで生きた人物(ノア・アダム・メトセラなど) […]

なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか

「ハコモノ行政」が始まったのは高度経済成長期、時期的に言うとちょうど田中角栄が首相だった時に遡る。日本の至る所に道路が敷設し、高速道路が造られ、さらに美術館や音楽ホールと言った物が乱立した。また東京を中心とした首都圏では高層ビルが建てられ「一極集中化」に拍車をかけた。しかしそれはずっと続かず、バブル崩壊頃からは「ハコモノ行政」も減少していった。ただその名残は未だに残っている現状がある。 本書はその […]

カラヤンがクラシックを殺した

昨年・一昨年とカラヤンの生誕記念、没記念の時期にCDショップのクラシックコーナーではカラヤンフェアが行われたほどである。ヘルベルト・フォン・カラヤンは指揮で観客を魅了しただけではなく、音源を数多く残し、没後20年経った今でも世界的指揮者の名声を放ち続けている。 しかし著者はそのカラヤンがタイトルにあるとおりクラシックを殺したと断罪している。 第一章「音楽の悪魔―プロレゴーメナ」 カラヤンの音楽は著 […]

ろんだいえん―21世紀落語論

もはや落語界ではアンダーグラウンドの論争の様相を見せている「円生後継問題」。円生襲名に名乗りを挙げたのは三人。一人は円生の弟子の六代目三遊亭円窓、一人は五代目円楽の一番弟子の三遊亭鳳楽、そして円生最後の直弟子である三遊亭円丈である。 前の二人は本格的な古典派である一方(円窓は五百噺など創作落語にも力を入れていることも付け加えておく)、円丈は徹底した新作派として有名であり、現在売れている春風亭昇太や […]

家族という視点―精神障害者と医療・福祉の間から

本書は精神障害者を持つ家族を医療や福祉など様々な観点から描いた一冊である。21世紀は「心の世紀」と呼ばれるが如く、精神障害者を抱える家族は増えていくことだろう。その中で普段ある生活に戻すためには、もしくは、精神障害とのつきあい方をどうしたらよいのか、本書は精神障害者を抱える家族のライフストーリーを基に、精神障害について、そしてそれに対するケアに至るまで考察を行った一冊である。 第一章「精神科医療と […]

【Reading-Lab】「3周年記念特別企画@汐留」感想

昨日はまさ@blueさん主催のリーラボに参加致しました。 リーラボ自体は昨年の1月以来、ほぼ毎月のように参加しておりますが、リーラボの感想を書くのは…約4ヵ月ぶりですね。 それはさておき、私のテーブルではこのような本が紹介されました。 ちなみに私はこの本を紹介しました。 ノマドに関して、さらに著者の上田氏についてなど様々な事を語りました。唯一の心残りはTSUTAYAにてこの本に関する講演のDVDが […]

静かなる改革者―「しなやか」に「したたか」に組織を変える人々

「改革」というとそれに関して「抵抗」をする人は必ずいる。「抵抗勢力」や「既得権益者」といわれている。それらの抵抗によって改革にも波風立つことが多いのだが、本書の改革は多種多様な価値観やアイデンティティを尊重しながらも、タイトルにあるように「静かに」改革を進める術について紹介している。 第Ⅰ部「静かなる改革者とは」 「リーダーとは孤独な立場である」とリーダー論について取り上げたときに何度か書いたこと […]

究極の選択! パソコンと携帯、なくなると困るのは?

ブログネタ: 究極の選択! パソコンと携帯、なくなると困るのは? 今の時代だからでこそ「究極の選択」と言えるでしょう。 ちなみに私はどちらか。 そりゃ「パソコン」を選びますよ。商売道具ですからね。 そう考えてみると携帯電話も進化をしており、パソコンと遜色ないほどにまでなりました。 もし、携帯電話がパソコン以上の性能や利便性になっていたのであれば…今は「パソコン」でしたが、答えが変わったかもしれませ […]

大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕

2004年に「独立行政法人制度」が始まって7年を迎える。東大などのブランド大学であればさほど心配する必要はないのだが、地方の大学では産学連携など様々な対策を立てなければやっていけない。ほかにも「大学全入時代」と言われるが如く、大学が乱立をしているのもその原因として挙げられている。本書は、様々な受難を抱える大学の現状とこれからについて考察と提言を行っている。 第1章「崩れ始めた日本型「大学ビジネス」 […]