1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染マーケティング

著者の杉村様より献本御礼。
よく、「サクラ」といった言葉をよく聞くが、口コミなどにより顧客が群がり、繁盛していくというようなことをいっている。しかし「サクラ」は一気に開花し華やかになるのだが、散るのも早い。

本書は「手紙」を使った手法であり、低コストながら、新聞広告よりも遙かに強い効果を生み出すことのできるマーケティング手法であるが、最初に書いた「サクラ」を使う方法とは違い、効果が強く、かつ持続できるという、耳を疑うようだが、企業での実践例も数多くあり、その効果は確かなものといえる。ではその方法とはいったい何なのか見てみよう。

第1章「「売れる言葉」で商品の見せ方を変えなさい」
「ネーミング」や「キャッチコピー」一つで売り上げは大きく左右される。これは「言葉のマエストロ」でも知られる中山マコト氏のマーケティングでも大きく表れている。
言葉といって甘くみてはいけない。言葉一つで顧客の連想が強く働き、それが購買へとつながることが多い。

第2章「「権威」を使って、あなた自身を演出しなさい」
日本らしいといえば日本らしいものの一つとして「権威主義」というのがある。本章ではそれを逆手に取り、泊をつけることで集客を広げるというものである。
「権威」と言っても「〜教授推薦」というようなものではなく、「ブランド」をつけるための方法としての「権威」といった方が良い。
本章を読んで面白いことを思い出した。「宮内庁御用達」という言葉をご存じだろうか。これは天皇家、もしくは宮内庁に従事する方々がよくご注文をするというところを指しているが、これが「権威」として使っている企業もある。効果は定かではないものの、それが徐々に広まって皇居近くの店々は「宮内庁御用達」の看板を使いだしたといわれている。本当に御用達ではなくても、である。

※ 少し詳しく語ると「宮内庁御用達」の制度は戦前〜戦後間もない時期までは明確に決められていたものの、昭和33年以降はその制度が廃止され、御用達の言葉の意味はほとんどない。

第3章「「集団感染」するターゲットを見つける」
「マーケティング」をするので、当然「ターゲット」を見つける必要がある。しかし今までのマーケティングのターゲットをとらえ方は「何十代」、「男か女か」「どのような職業に就いている人か」というように絞り混みを行うことが定跡だった。
しかし本書は「1人」をターゲットにして、そこから地引き網漁の如く群集を引き寄せるという方法を伝授している。そのやり方の一つとして「タウンページ」があるのだという。

第4章「あの手この手で「集団感染」させる」
チラシやDM、メルマガによる集団感染広告の作り方について伝授している。やり方もなかなか面白く、とりわけ「ドロボウ新聞」は面白く、かつ「痛快!」と言える。

第5章「黙っていても儲かる「仕組み」をつくる」
「仕組み」づくりは様々であるが、言葉による「仕組み」
づくりは数多くある。本章では前章までに紹介されたマーケティング方法を展開しながら「場」をつくることについて伝授している。

今までの「マーケティング」とは大きく異なるためか、インパクトは非常に強かった。「集団感染」を実践しやすい形にできているだけあって、これからの広告の在り方がかわるのではないかと思ってしまう。本書は実践に向きやすく、かつ広告の考え方ががらりと変わる衝撃の一冊である。

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